【足利大附 野球部】「いざ4強へ」 #足利大附

左右ダブルエース+強力打線
秋の敗戦を糧に心身強化

 今年の足利大附は、投打の魅力あふれるチームだ。昨年の秋季大会は3回戦で石橋に惜敗したが、その悔しさを糧にはい上がる。

(2021年3月号掲載)

■スケールの大きなチーム  

今季の足利大附は、例年以上にスケールの大きなチームだ。2年エースの右腕・荒川和輝は1年生からマウンドに立ち、経験をつけてきた。これまでの最速は133キロだが、この冬を越えて威力は増している。春・夏は140キロ近いストレートを投げ込むことだろう。

エース荒川に続くのは、1年生左腕の小林央典。小林は、しなやかなフォームから角度のついたボールを四隅に決める。ふたりとも身長180センチの大型投手で、ポテンシャルは高い。打線は、リードオフマンの上原颯太(2年=外野手)、2番・菊地優真(2年=外野手)がチャンスメークし、体重91キロの大砲・牛久葵(2年=内野手)、1年生の大型捕手・谷春空らクリーンアップがランナーを返す役割を担う。チームは渡邉夏生主将(2年=内野手)を軸に一つになっている。

■秋は石橋に1対2で惜敗  

秋季大会は、シードを決める交流戦1回戦で真岡工を11対1で撃破。同決勝で今市を8対0で下して、秋季県大会のシードとなった。本大会では初戦で足利に勝利すると3回戦で石橋と対戦した。ゲームは、足利大附のエース荒川と、石橋のエース篠崎晃成の投げ合い。6回までスコアレスだったが7回にエース荒川がピンチを招き2番手・1年生左腕の小林につないだが、2失点。主砲・牛久の意地のタイムリーで1点を返すも、1対2で惜敗した。石橋は大会準優勝で関東大会へ出場し、選抜大会の21世紀枠候補に選出された。

エース荒川は「自分たちが負けた石橋が関東大会まで行った。あの試合でうちが勝てればチャンスが広がったので、悔しさが増した。接戦で勝てるピッチャーにならなければいけない」と振り返った。

■負けから学ぶことが大切  

石橋に敗れたチームだが、勝ち上がるだけの力は十分にあったと言える。しかし、勝負所での強さが足りなかった。このチームは夏の始動後、練習試合で連戦連勝。交流戦でも圧勝して、大会を迎えていた。

荻原敬司監督は「力的には劣っていなかったと思うが、劣勢のゲームの戦い方を知らなかった。石橋戦では負けから学ぶことの重要性を教えてもらった。選手はここから強くなれるはず」と語る。選手たちはこの冬、フィジカルトレーニングによってパワーアップ。コロナ禍によって練習時間は制限されているが、高いモチベーションで努力を続けている。

渡邉主将は「秋の悔しさを忘れてはいけない。今年のチームには大きな可能性があると信じています。可能性を追求することで春・夏の結果につなげたい」と話す。足利大附は近年、ベスト8まで進みながらも、4強の壁を崩すことができていない。2021年は、その壁を越えるチャンス。敗戦によって強くなった選手たちが、チームの歴史をアップデートしていく。

 

 

 

 

 

 

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