【静岡 野球部】「使命」#静岡

新監督と共に夏の頂点へ
甲子園42回出場の伝統校

甲子園春夏通算42回出場の伝統校・静岡は、今年4月にOB池田新之介監督が就任し新たなスタートを切った。今夏は2年ぶりの甲子園を目指していく。(取材・栗山司)

■OB監督が就任!

5月9日、第63回目を迎える静岡と静岡商による伝統の定期戦が行われた。  静岡はプロ注目のエース・髙須大雅が7回を3安打1失点に抑える好投。攻撃陣は1対1の7回に9番・山岸廉尊(2年=内野手)がしぶとくレフト前へ。さらに8回には4番・川端慶(3年=捕手)が詰まりながらもセンター前にタイムリーを放った。

3対1で勝利し、池田新之介監督は「静商は絶対に負けられないライバル。公式戦のつもりで戦った」と試合を振り返った。

13年間に渡り、静岡の指揮をとった栗林俊輔監督が3月31日をもって勇退。チームを引き継いだ池田監督は静岡のOBだ。  現役時代は主将を務め、その後、中京大に進学。卒業後は静岡のコーチを5年間経験し、2003年の甲子園出場をサポートした。「高校を卒業するとき、ゆくゆくは母校のユニホームを着て指導したいと思っていた。自分が選手として行けなかった甲子園に今度は指導者として行きたいと夢を持っていた」

その後、焼津水産、島田商の監督としてチームを強化し、今年16年ぶりに母校に戻った。あらためて、静岡の選手たちの覚悟や誇りを目のあたりにし、気持ちを高ぶらせた。  「静高の目標は甲子園に出て全国制覇すること。それは何があっても変わりません」

■守備を基礎から練習

池田監督就任後、すぐの春の大会は県ベスト4に進出した。しかし、準決勝では掛川西に敗退。守備のミスによる失点が響いた。金子裕人主将(3年=外野手)が振り返る。「根本的な技術不足があったのは確かです。大会が終わってからはバッテリー、内野、外野、それぞれのポジションで基礎を繰り返しました」  さらに、池田監督は勝負強くチャンスで一本が出せる攻撃力を選手に求めていった。

「試合では、外野の間にポテンと落ちるヒットほど相手が嫌なものはない。食らいついて打つヒットも価値があるということも伝えていきたい」(池田監督)

実を結んだのが春の大会から4日後の静岡商との定期戦。池田監督は「最後まで何かあるぞという気持ちが出てきている」と手応えを感じている。

■強い覚悟を持って

静岡は2019年夏に甲子園出場。だが昨年と今年は甲子園の土を踏んでいない。1年夏に先輩たちが甲子園で躍動する姿を見た相田康慎(3年=外野手)は「自分たちの代が分岐点になる」と強い覚悟を持っている。「今年甲子園に行けなかったら、甲子園を知っている代がいなくなります。だからこそ、今年の夏は何としても行かなくてはいけないと思っています。それが自分たち、138期の使命だと捉えています」

5月中旬以降は新型コロナウイルスの影響により対外試合がなくなり、紅白戦でチーム力を上げてきた静岡。池田新監督のもと、夏の頂点を獲りにいく。

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