【桐生 野球部】「伝統」#桐生

春夏通算26度の甲子園出場
2021年4月に桐生女子と統合

 春夏通算26度の甲子園出場を誇る桐生高は、2021年4月に桐生女子と統合し「桐生高」となる。桐生高にとって学校名は変わらないが歴史の節目。野球部は、桐高(キリタカ)の伝統を継承しながら新たな一歩を踏み出していく。

 

■キリタカの伝統と誇り  

学校創立1917年、野球部創部は1922年。春夏通算26度の甲子園出場は県内最多、桐生中時代の1936年には選抜準優勝、桐生高となったあとの1955年にも選抜準優勝。2度の選抜準優勝のほかベスト4は春夏合わせて3度。その実績は群を抜く。1978年の選抜、夏甲子園出場を最後に甲子園からは42年間遠ざかっているが、「文武両道」「独立自尊」の桐高(キリタカ)の伝統、そして誇りは部員たちに引き継がれている。

全国屈指の伝統を誇示する進学校は2021年4月に桐生女子と統合し新たな「桐生高」となる。学校の場所は、現在のまま。学校名こそ変わらないが、校章や校歌は新たなものとなる。野球部のユニフォームデザインは変わらないものの、袖には新たな校章が付く予定という。100年目を迎える桐高(キリタカ)野球部は、歴史の大きなターニングポイントを迎えている。

■歴史の節目を迎えるチーム  

歴史の節目を迎えるチームを率いているのは、髙島喜美夫監督。筑波大卒業後に教員となり、松井田、太田での指揮を経て2013年から桐生で采配を執る。責任教師には、桐生野球部OBの茂木建太部長。さらに元太田東監督の阿蔵勝利コーチが参謀となっている。そして、2019年秋からは外部コーチとしてOBで前青山学院大監督の河原井正雄氏が就任している。4度の大学日本一の実績を持つほか、小久保裕紀(元ソフトバンク)、井口資仁(現ロッテ監督)を育て上げた名将。河原井氏は毎週末に母校へ駆けつけて後輩たちの指導にあたっている。

選手たちは、河原井コーチや髙島監督の指導を受けて、伝統復活の道を切り拓くべく努力を続けている。

■変わらない野球部の伝統  

現桐生として最後の夏となった2020年の独自大会は1回戦で私立実力校・樹徳と対戦し、惜しくも敗れている。コロナ禍での大会開催となったが“最後”の夏に、勝利の校歌を歌い上げることができなかった。

新チームは、昨年の秋季大会初戦で太田工を1対0で撃破し、2回戦では太田東を接戦の末に6対5で下した。ベスト8入りをかけた3回戦では館林と対峙し、エース近藤研太郎(新3年)が粘りのピッチングをみせたが打線が封じられて0対2で惜敗した。8強入りは逃したが、春・夏へ向けての手応えはつかんでいる。

荒谷真之介主将(新3年=内野手)は「学校が統合になっても野球部の伝統は変わらない。県内一の甲子園出場という伝統にふさわしい戦いをみせていきたい」と自覚する。時代は変わるが、桐高(キリタカ)の魂は引き継がれていく。

 

 

おすすめの記事