2020年秋準優勝で関東大会へ
個性あふれる最強軍団
昨秋の栃木県大会で準優勝となり関東大会へ進出した伝統進学校・石橋。21世紀枠最終候補に選ばれたが選抜切符は届かなかった。選手たちは、この夏、再び、甲子園に挑戦する。
■着々と実績を積むチーム
今季の部員は3学年合わせて51人。福田博之監督が石橋に着任した2016年4月には、1学年10人弱。2016年秋大会には19人で挑んで準優勝を飾り関東大会へ進出している。あれから5年、着々と実績を積むチームには、多くの文武両道プレーヤーが門を叩く。5年前は比較的おとなしい選手が揃っていた印象だが、今年のチームは個性あふれる選手たちが主張し合い、 切磋琢磨を繰り返す。福田監督は「一人ひとりの個性が強く、グラウンドにエネルギーがあふれている。まとめるのは難しいですが、一つになったときの力は今までで最高だと思います」と期待を寄せる。個性あふれる最強軍団が夏へ照準を合わせている。
■届かなかった選抜切符
昨秋は2016年秋に続いて旋風を起こしてみせた。準決勝・作新学院戦では右サイドスローのエース篠崎晃成(3年)がコーナーを突くピッチングをみせて最少失点でゲームを進めると6回に3点を奪い3対1と逆転に成功。9回に1点を返されたが3対2で逃げ切り、関東大会出場を決めた。関東大会では1回戦で、東海大相模と対戦。結果的には0対7で敗れたが、序盤はしっかりと戦えていた。東海大相模は選抜で全国制覇したため、日本一のチームと戦ったことになる。エース篠崎は「レベルの高いチームと対戦したことで、1球1プレーの大切さを教えてもらった」と振り返る。チームは21世紀枠最終候補となったが選抜切符は届かなかった。春は初戦となった2回戦で宇都宮南に屈した。
■部員一丸で、一戦必勝
夏に向けて、チーム状態は上がっている。チームを牽引するのは、キャプテンシーあふれる小林到主将(3年=捕手)だ。小林主将は、選手の声に耳を傾けながら、個性派集団をまとめている。そして、エース篠崎の長所を巧みなリードで引き出している。チームは主砲・小林主将が徹底マークを受ける中で、1〜9番のトータルで勝負できるようになってきているという。エース篠崎は、ひと冬を越えて筋力アップ。柔軟性も上昇したことでキレが増している。学校ブルペンでは威力あるボールを投げ込み、夏へ照準を合わせている。篠崎は「秋、春の悔しさを力に変えている」と、石橋の進化を説明する。小林主将は「僕たちはチャレンジャー。部員一丸で、一戦必勝で戦っていく。その先に甲子園があると信じています」と気持ちを込める。最強のチャレンジャーは夏にすべてを懸ける。
(2021年8月号掲載)