【大師 野球部】「下克上」 #大師

エースの覚醒で進化するチーム
2017年夏にベスト16の公立実力校

2017年夏にベスト16、2018年春、2019年夏にベスト32に進出した公立実力校・大師。大型右腕の覚醒によって、川崎市の学校グラウンドがにわかに騒がしくなってきている。2022年秋、ここからプロ選手が誕生するかもしれない。

■最速147キロの大型右腕出現

米国独立リーグでのプレー経験を持つ小山内一平監督は、澤田寛太(2年)が大師に入学したときから、底知れぬポテンシャルを感じていた。中学までは捕手で1年夏まで外野手だったが、その秋に「ピッチャーをやってみるか?」と問いかけた。そのとき澤田が目を輝かせて「はい!」と答えたのを強く覚えている。打撃も非凡だったため外野手のまま育てる選択肢もあったがピッチャーとしての可能性に懸けた。2年春までは制球が安定しなかったが夏に142キロをマーク。秋予選は怪我の影響で登板を回避し、チームは予選敗退。その後、コロナ自粛期間などがあったが練習再開後の10〜11月に突如、才能が開花したという。練習試合で三振の山を築き、プロスカウトが集結した。最速147キロのストレートに加えて、大きく落ちるフォーク。豪快さと起用さを備える大型右腕の出現によって、チームは大きく変わっていった。

■2022年のダークホースへ

エースの覚醒によって、チームには大きな刺激が注入された。プロスカウトが見学に来ている試合で恥ずかしいプレーをみせるわけにはいかない。選手たちは、澤田に負けじとトレーニングに熱を込める。エース澤田に注目が集まる中で、身長184センチの主砲・小森悠太(2年=内野手)、原翔太(2年=中堅・投手)も迫力の打球を飛ばす。主砲・小森は「苦しいゲームで寛太(澤田)を助けられるように打撃も力をつけなければいけない」とバットを振り込む。1年生捕手の庄司幹太もフレーミングとバウンド処理に磨きをかける。大越政信主将(2年=内野手)は「澤田だけではなく、チーム全体でレベルアップすることができている。秋予選敗退の悔しさを春・夏の結果で晴らしていきたい」とチームを牽引する。

エース澤田を軸に一つになる大師は、2022年の神奈川に下克上を巻き起こす可能性を秘めている。

 

 

 

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