【田無 野球部】 「氣は技を制す」 #田無

新たなスローガンで心機一転
昨夏の西東京大会で3勝

都立田無は、2021年4月から元高島指揮官の島修司監督が指揮を執る。昨夏の西東京大会でベスト32へ進出したチームはさらなる高みを目指して春を待つ。

■練習と奉仕活動を両立

「氣」がチームを変えた。高島時代の東東京ベスト8の実績を持つ島監督が昨年4月に田無に着任した。コロナ禍で練習もままならない中での新たなスタートとなったが、指揮官はできることを追求した。練習はできなくても心を育てることはできる。島監督は、高島時代から奉仕活動として校内外のゴミ拾いなどを行ってきたが、まずはあいさつ、礼儀、奉仕活動から開始した。島監督は「東京で一番のチームになるには、学校で一番の部活にならなければいけない。応援されるチームになるためにはどうするべきかを選手と一緒に考えました」と話す。そして昨年の西東京大会直前に7月、チームスローガンを設定した。「氣は技を制す」。指揮官が指導の柱にしている言葉で、高島時代も標榜してきた。3年生の女子マネージャーの毛筆を横断幕にデザインし、バックネットに掲げた。

■「氣」が整えば技が伸びる

「『氣』は気持ち、気力、気付きなどを示す。『氣』が整えば、おのずと技がついてくる」と島監督。昨夏の西東京大会へ挑んだチームは、1回戦で玉川学園、2回戦で明法に勝利すると、3回戦ではシード専大附と対戦。田無はエース加藤田俊介(3年)の好投と好守によって3対2で勝利。続く4回戦は駒大高に敗れたが、堂々の夏3勝を挙げた。2018年夏以来、3年ぶりのベスト32進出となった。大会後に始動した新チームは2年生レギュラー5人が残り、1年生も台頭。飛躍の期待が高まったが、秋季1次予選初戦の相手は大森学園だった。選手たちは必死に食らいついていったが2対10で完敗、無念の予選敗退となった。上西遼真主将(2年=内野手)は「戦える自信はあったが、力の差をみせられた。勝ち上がるにはもっと力をつけなければいけない」と再起を誓う。

■活気がみなぎるグラウンド

冬のトレーニングでは、グラウンドに活気がみなぎっていた。島監督が放つ強烈なノックに対して、選手たちが歯を食いしばってグラブを伸ばす。秋予選敗退後、自分たちの甘さに気づいたチームは、意識が変わったという。チームの軸は、上西主将と佐々木悠月副将(2年=捕手)。サード上西主将とショート志甫柊真(2年=内野手)の三遊間は都立屈指。佐々木副将、投打の二刀流・阪本誠一(1年=投手・一塁手)のクリーンアップも飛距離を伸ばす。課題は、投手陣だが、腰越翔太(2年)、阪本が力を伸ばし、春に向けての計算が立った。チームは3月中旬の春季予選に照準を合わせて調整を続ける。上西主将が「先輩の3年生が夏3勝のルートを作ってくれたので僕らはそれ以上を目指す。『氣』を高めて、勝ち上がっていきたい」と闘志を燃やす。

新生・田無は、「氣」でトーナメントを制す。

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