2021年夏に新グラウンドが完成
9年ぶりの甲子園へ、心技体充実
2021年夏にベスト4、同年秋にベスト8進出を果たした修徳。投打のタレントが揃うチームは9年ぶりの甲子園へ邁進する。
■環境にふさわしい結果を
修徳は今年度、大きな環境の変化があった。昨年6月末、1961年に整備され通算8度の甲子園出場の舞台となった中川河川敷・八潮旧グラウンドが堤防設置のために閉鎖となり、隣接する敷地に新グラウンドが完成した。左右両翼92メートル、センター114メートルの広さで、室内練習場も新設された。新たなグラウンドでの歴史をスタートさせたチームは、昨夏の東東京大会でエース床枝魁斗を擁してベスト4へ進出。準決勝で関東一に惜敗し甲子園出場は逃したが、新時代での飛躍を感じさせる戦いぶりだった。
荒井高志監督は「素晴らしい環境を整備してくれた地域、学校には感謝しかない。環境にふさわしい結果を残していかなければいけない」と話す。
■東東京の甲子園切符は1枚
新チームは、主砲・佐藤大空(2年=外野手)、スラッガー牧野颯太(2年=外野手)、正捕手・若松恭佑(2年)、ショートストッパー八木大地(1年)ら夏の主力がそのまま残った“期待の世代”。抜群の安定感を誇る技巧派右腕・竹澤尚輝、最速140キロの190センチ大型右腕・篠崎国忠の1年生投手コンビの伸びしろは大きく、新生・修徳は秋季一次予選から一戦ごとに成長していった。秋季都大会では1回戦で紅葉川、2回戦で足立学園に勝利し、3回戦では実力校・佼成学園に5対4で競り勝ってみせた。準々決勝の相手は、夏の準決勝で敗れた関東一。リベンジの場となるはずだったが、試合巧者の相手に弱点を突かれて、失点を重ねた。修徳の選手たちは傾いた流れを引き戻すべく、決死の戦いをみせたが1対11の5回コールド負け。捕手・若松は「何もできずに、力の差を突きつけられてしまった。秋に感じた大きな差を埋めていかなければいけない」と練習に熱を入れる。
東東京の甲子園チケットは1枚のみ。甲子園レベルのチームを倒さなければ聖地にはたどり着けない。心技体のレベルアップを目指す修徳は、新グラウンドで初の冬を越した。
■チームのあるべき姿を追求
この冬、荒井監督はテーマを設定した。ベンチに張られたシートには「根を育てる冬にする」と書かれていた。そして、「根を育てるために必要なこと=我慢・根気・継続」と付記されていた。大きな木を育てるには、大地に大きな根を張らなければいけない。指揮官は「根は目に見えない部分。人として選手として根を張っていくことでチームは強くなれる。太い幹、大きな枝、多くの葉をつけるチームにならなければいけない」と説く。
主砲・佐藤は「大会で勝つチームになるためには土台が大切。そのためには、馴れ合いではなく、互いに要求して、本当のチームになっていく必要がある」と話す。夏の悔しさを知る佐藤は、周囲にも厳しい声を送り、チームのあるべき姿を追求している。深澤大吾主将(2年=内野手)は「一日一日の積み重ねが甲子園への道になる。グラウンド内外で甲子園基準の行動を取っていく必要がある」と力を込める。修徳の新グラウンドの大地に、根は着々と伸びている。
若葉の季節はもうすぐだ。