【駿河総合 野球部】「ラストスパート」  #駿河総合

コロナ禍に翻弄されたチーム滑り出し
個の力を磨き視界良好、悲願の初甲子園へ

 プロ選手を輩出している実力校・駿河総合。昨秋はコロナ禍で出場辞退を経験した。実戦練習ができない中、個々の力を伸ばすことに重点を置いてきたが、ここへきてその成果が現れてきている。(取材・栗山司)

■見えない敵に苦しんだ秋  

2013年に静岡市商と静岡南が合併し、新たに誕生した駿河総合。野球部は望月俊治監督のもとでメキメキと力をつけ、2019年夏に県決勝まで登りつめた。甲子園に手が届く位置まできている。また、杉山一樹(現福岡ソフトバンク)、紅林弘太郎(現オリックス)がプロ野球の世界へ。練習で鍛え、個々の能力が上がる土壌がある。  

現チームは見えない敵に苦しんだ。  

昨年の秋は中部大会で県大会に王手をかけながらも、新型コロナウイルスの影響で辞退。その後も練習試合ができない日々が続いた。選手たちは「本番はあくまで夏。個々の力を伸ばしていこう」と気持ちを切り替え、冬の期間は個々で頭を使って練習を重ねていったという。  迎えた春の大会は順調に地区大会を突破すると、県大会は初戦で掛川東と対戦。序盤の好機で得点ができず。終盤に1点差まで詰め寄ったが、4対5で敗れた。「チャンスが多かったのに点が取れませんでした。自分たちのやるべきことをやれば勝てる試合でした」と主将の田中一護(3年=内野手)は唇を噛んだ。  

春の大会が終わり、望月俊治監督は「課題がはっきりとした」と話し、こう続ける。「今年は大砲がいないので、どうやって点をとっていくかが大事になる。勝負どころでのミスも無くさないといけない」。春のレギュラーは2年生が多く含まれていたが、夏に向けて3年生が巻き返し、チーム内で競争が生まれている。

■初の甲子園出場に向かって  

今年、エースを務めるのはプロ注目の左腕・原崎翔陽(3年)だ。186センチの長身から最速140キロの快速球を投げ込む。中学時代は故障もあって無名の存在も、高校入学後、急成長を遂げた。「高校で野球に対しての気持ちが強くなりました。投げていくうちにスピードが上がって自信をつけました」。体重は入学時から16キロアップ。コロナ禍で練習ができない中、意識的に食事の量を増やすことでパワーアップにつなげた。「夏に甲子園に行って、プロに行きたいです」と力強い。  

そのエースの座を脅かすのが、原崎の双子の兄・雄陽(3年)。元々は捕手だったが、望月俊治監督の目に留まり、投手に転向。最初は「不安だった」と手探り状態からのスタートも、今や弟と同じ186センチの高身長から137キロを投げ込む。「夏は兄弟リレーして、甲子園に出ることが目標です」と鼻息が荒い。さらに、右サイドの佐々木陸登(3年)も控え、投手陣はバラエティーに富んでいる。  

一方、攻撃陣はシュアな打撃と50メートル6.0秒で駆け抜ける脚力が持ち味のリードオフマン・田中が核となる。「ヒットで出塁したら盗塁してチャンスメーカーになりたい」と黙々と練習をこなす。  初の甲子園の舞台へ。実戦不足を補うべく、ラストスパートをかける。

 

 

 

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