【東京都市大付】  「6年間の絆」

中高一貫6年間を活かしたチーム作り
今秋は7年ぶりの秋季都大会出場

 中高一貫の東京都市大付は、6年間を通じた強化で成長を遂げる。今秋の新チームは13人の少数精鋭ながらも実力校を破って一次予選を突破。選手たちの成長が、野球部の価値を高めている。

■完全中高一貫システムでチーム強化  

文武両道を志す東京都市大付は2021年度に12人の東大合格者を輩出するなど高い進学実績を残した。完全中高一貫システムで、高校からの入学制度はない。現在の東大野球部・松岡泰希主将は、東京都市大付で6年間を過ごしている。野球部は中学から硬式野球を採用してボーイズリーグに参戦。高野連のルールに則って同じグラウンドで練習を重ねている。中学時代から、高校野球のレベルや高い意識を学ぶことが成長につながるという。練習場は学校から自転車で約10分の距離にある同大総合グラウンド・専用野球場。月・火・金の週3回は専用球場で練習し、週末は公式戦・練習試合などが組まれている。

■目指す野球は「テンポと走塁」

 野田宏幸監督と山﨑雄二中学監督の指導体制。今夏まで山崎前監督が指揮を執り、今秋から野田監督にスイッチ。勝亦陽一コーチが技術指導を担当する。野田監督は明大明治高から明大へ。大学卒業後に埼玉・秀明英光で野球部を指導し、2004年に東京都市大付へ。山崎現中学監督と共に野球部の土台を作り上げてきた。野田監督の目指す野球は「テンポと走塁」。守備を中心とした野球でリズムを作り、果敢な走塁で次の塁、そして得点を狙っていく。野田監督は「一人ひとりの力は小さいかもしれないが、チームとして戦うことで格上のチームを倒すことができる」と指導に励む。

■「日本一のあいさつ」

で目指す甲子園  今秋に始動した新チームは、古川竣介主将(2年=外野手)、須藤周祐主将(2年=内野手)の「ダブル主将制度」。部訓である「日本一のあいさつ」「時間と約束を守る」「自ら考えて行動する」の3つの柱を指針として練習に取り組む。1・2年生の人数は計13人だが、中学時代からの結束と経験値が武器。新チームは須藤主将、前チームからのエース勝倉拓海(2年)を軸に始動。1年生左腕・田端遼も力を伸ばすと、今秋の一次予選では武蔵村山、日野台の都立実力校に勝利し7年ぶりの秋季都大会出場を果たした。須藤主将が「人数は少ないが一人ひとりが意識高く練習に取り組んでいる」と話せば、古川主将は「3つの部訓を軸に一戦一戦、目の前の試合に向かっていく」と力を込める。東京都市大付は中高一貫6年間という時間をアドバンテージにして新風を吹き込んでいく。

 

おすすめの記事