【静清】準優勝「いい表情、いいかけ声で」 #静清

エース久保を軸にトーナメント駆け上がる
春のベスト4を超え堂々準優勝

 17年ぶりに夏決勝の舞台へ上がった静清。チームの主軸であるエース久保の疲れもみられた中、一丸となって戦った選手たちには称賛の拍手が送られた。

■エース・久保の奮投  

バッテリーを中心とした堅いディフェンスに、確実に1点を奪いにいく野球で勝ち上がった。  快進撃の立役者となったのがエース・久保陸弥(3年)。初戦から決勝戦までの全6試合に先発した。ハイライトは準々決勝の静岡商戦。相手投手との投げ合いの中で8回途中まで無失点。7回には3者連続三振を奪ってチームに勢いをもたらせた。  しかし、試合後に右ヒジの違和感を訴え、持病の右膝痛も悪化。準決勝では急遽、腕の位置を下げて聖隷クリストファー打線を抑え込んだ。

■意地の1点をもぎ取る  

迎えた決勝戦。久保の体はもう限界だった。130キロ台後半のストレートが120キロ台まで落ち、「緩急を使おう」と試行錯誤。「疲労はだいぶ溜まっていたが、気力で投げた」と腕を振ったが、初回にタイムリーを浴びると、2回と4回にも失点。5回途中でマウンドを降りた。一方で打線は6回に3番・伊東洸佑(3年=内野手)の二塁打を足がかりに1点を取って一矢を報いたものの、反撃はそこまで。静清の長い夏が幕を閉じた。

■主将の存在  

17年ぶりとなる決勝進出。社会人野球の監督経験もあるベテランの長田仁志監督は「ここまで来られるとは思っていなかった。最低ベスト4まで頑張ろうと言ってきた。ベスト4まできたら、あと1つという思いだった」と話す。久保と同様にチームを牽引したのが主将の馬場愛士(3年=外野手)。長田監督が「私の言いたいことを全部彼が言ってくれる」と全幅の信頼を置く主将だった。 「疲れていても、表に出すんじゃなくて、いい顔、いい表情をして、いい声かけをしていこう」  馬場はときには厳しく、ときには励ましながら部員をまとめてきた。「夏の大会前にチームが一つの方向に向かい出しました。大会に入ってからは勝ちたいという気持ちがみんなから芽生えるようになりました」  エースと主将の背中を見てきた後輩たちが、あと1勝の悔しさを晴らす。

おすすめの記事