【横須賀】 「邁進」〜まいしん〜

1908年創立の伝統進学校のチャレンジ
「自主自律」「自学自習」「文武両道」の精神

 1908年創立の伝統進学校・横須賀。OB指揮官が率いるチームは「自主自律」「自学自習」「文武両道」の精神のもと、自ら考え行動することで甲子園への道を邁進していく。

■「文武両道」の精神を貫く野球部  

伝統の風が、高台の練習場に吹き込んでいる。伝統校・横須賀は、政官財界に多くの人材を輩出してきた。主な卒業生には、小泉純一郎元首相、ノーベル物理学賞・小柴昌俊氏、柔道五輪金メダリスト猪熊功氏らが名を連ねる。「文武両道」の精神を貫く横須賀は、野球部をはじめラグビー部、陸上部などが活発な活動を続けている。野球部は2014、2020年夏に4回戦へ進出するなど粘り強い戦いをみせて地域に活力を届けてきた。2020年秋以降は結果をつかむことが出来ていないが、選手たちは変わらぬ姿勢で練習に励む。2023シーズンは、3年ぶりの夏勝利、そしてさらなる躍進のために一丸となって白球を追う。

■選手自身で考えて、つかみ取る  

横須賀は2020年夏まで柴田治郎前監督がチームを率いて、同年秋にOBの石井洋監督へバトンを渡した。現在の部員数は2年生11人(女子マネージャー2人含む)、1年生10人。地元出身の石井監督は、市立横須賀総合時代に選手の特長を活かした戦いを実践し夏ベスト8、秋ベスト8進出の実績を残した。石井監督は「最近はなかなか勝っていないとはいえ、大会で1回勝つのが目標ではつまらない。選手の人数は限られているかもしれないが、メンバーの能力に適した戦い方がある。それが野球の面白さでもある。その戦い方を選手たち自身で考えて、つかみ取ることが大切だと思う」と、後輩たちの指導に向かう。指揮官は、練習中から選手の意志を尊重。自ら考えて行動するためのメニューを組み、チームの土台を築いている。

■大海原へ乗り出すチーム  

今季のチームは個性あふれる選手たちが揃う。大海原へ乗り出すチームの船頭となるのは、青木慶亮主将(2年=投手・外野手)だ。そして副将としてサポートするのは、守備の要・杉山禅季副将(2年=内野手)。エース押野秀太(2年)が主戦としてゲームを作り、打線の援護を待つ。打撃陣は、3番・青木主将、4番・西山将悟(2年=捕手)、5番・飯田健太(2年=内野手)、6番・齊藤楓(2年=内野手)らが力強い打球を飛ばす。秋予選は横浜商、横浜氷取沢に敗れて県大会進出はならなかったが、決して戦えていないわけではなかった。選手たちは自分の力を把握した上で、自由な発想でチームを強化。春・夏に結果をつかむべく、ひたむきに努力を続ける。杉山副将が「個人が輝くことでチームの勝利につながっていくと思う」と話せば、青木主将は「チーム全員の力を合わせて勝利に邁進していく」と春夏の飛躍を誓う。横須賀の選手たちは、誉ある歴史の上に新たな物語をつづっていく。

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