【東海大静岡翔洋 野球部】  「結束力」 #東海大静岡翔洋

森下倫明新監督のもと新たなスタート
2004年以来、18年ぶりの甲子園へ

 昨夏、準優勝となった東海大静岡翔洋。大会後、原俊介監督が退任し森下倫明監督が就任した。新たなスタートを切った名門は「結束力」をテーマに2004年以来の甲子園を目指す。(取材・栗山司)

■原監督から森下監督へ  

昨夏は甲子園まであと一歩に迫った。  ノーシードから勝ち上がり、17年ぶりの決勝進出。決勝戦では静岡に敗れたものの、強豪復活を印象づけた。大会後、16年春から指揮をとった原俊介監督が東海大相模の監督へ。東海大静岡翔洋には森下倫明監督が就任した。  東海大浦安で23年間に渡り監督を務め、2000年夏には甲子園準優勝に導いたベテランの森下監督。就任後は選手の能力や性格を把握したいと、じっくりと見守ることからスタートした。「すごく素直で伸びしろのある子が多いという印象があった。ただ、受け身の子が多かったので、いかにして力を出し切るか。そこがポイントになると考えた」。  

秋の大会は県大会初戦で浜松工と対戦。延長11回の末、3対4で敗れた。走者は出したが、チャンスで一本が出なかった。  

その後、森下監督の方針で、選手の実力や学年関係なく、全員が同じグラウンド内で練習するスタイルに変更した。その意図を指揮官はこう語る。「私は浦安時代からずっとこの形でやってきた。全員が翔洋高校で野球をやりたいと思って、ここに来ている。まずは鍛える場を全員に与えたかった。そこで、やる、やらないは自分次第。その中で、分からないことがあれば、遠慮することなく、スタッフにアドバイスを求めてほしいと思っている」。  むろん、一人一人の練習時間は減ってくるが、その分、選手間の競争意識が高まっている。

■積極的にプレーする  

日々の練習では、出し惜しみすることがないように求めている。例えば、短距離走では最後のゴールラインまで絶対に手を緩めずに、走り切ること。「たったそれだけのことだが、これで君たちの将来が変わってくる」と指揮官。最後までやり切ることの大事さを訴える。  

積極的なプレーにトライしていくのも森下流だ。打席ではファーストストライクを打ちにいき、守りはミスを恐れずに攻める。「バッティングなら、振って三振は構わない。バットを振らないと成長はない」。恐れずに一歩踏み出すことで、課題も見つかる。

■甲子園で勝つことを目指す  

今年のテーマは「結束力」。星野優輝主将(2年=外野手)は「先輩たちのように凄い球を投げるピッチャーもいないし、打てるバッターも少ない」と分析し、「チーム全員で束になって戦っていく」と話す。  

守備での失点を極力減らし、攻撃は機動力を絡めて1点1点積み重ねていく。「夏は絶対に勝つ。そのためには春に勝たないと始まらない」と星野主将。目指すは甲子園に出場し、聖地で勝つこと。きめ細やかさと、大胆さを兼ね備えた新生・東海大静岡翔洋。悔しさを晴らす春が始まる。

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