【府中工科】「打ち勝つ」

4年ぶりの秋本大会進出
“メガトン打線”で都立No. 1を目指す

今夏、好勝負を演じた府中工科。経験者が多く残る新チームは自慢の“重量打線”を武器に、今後の成長を予感させている。(取材・三和直樹)

■都立の強豪・日野に3点差惜敗

今夏、初戦となった2回戦を23対0で大勝した府中工科は、続く3回戦で都立の強豪・日野と相対した。毎年、練習試合を行っているが、今年は雨で中止となっていた。初回に1点を先制するも、すぐに4点を奪われる展開。その後は互角の戦いを演じたが、惜しくも3対6で涙を飲んだ。  「初回の攻防がすべてだった。自分たちは1点止まりだったのが、相手は4点。その差を最後まで覆せなかった」と高橋伸吾監督は振り返る。悔しさと力不足を感じた夏にはなったが、就任6年目の指揮官は「以前は練習試合で対戦しても手も足も出なかった。その相手と最近ようやく戦えるようになってきた中で、今年は公式戦で対戦した。負けはしましたがいい試合はできた。次に繋がる戦いだったと思います」と手応えを口にする。

■総重量278キロのクリーンアップ

その試合には5人の2年生が出場していた。当然、彼らは新チームの中心となる。日野戦に2番手で登板して5回1/3を1失点に抑えた久保田翔真(2年)がエースとなり、同じく日野戦で3安打を放った石田結叶(2年=捕手)が新キャプテンに就任した。  重視するのは「打」だ。石田は184センチ93キロの立派な体躯を持つ。さらに174センチ101キロの小澤愛希(2年)、172センチ84キロの金沢敬太(2年)と、3人合計278キロの通称“メガトンクリーンアップ”が誕生。高橋監督は「今年は“打ち勝つチームになりたい”というところからスタートした。体格的に大きい選手が揃って楽しみは大きい」と語る。  その期待通り、今秋の1次予選では、拝島に16対0(5回コールド)、郁文館に9対2(8回コールド)と2試合ともに打線が爆発し、2019年以来4年ぶりの本大会出場を決めた。「秋の予選は2試合ともいい感じで勝つことができた。この秋に得た経験を自分たちの成長に繋げられるようにしたい」と石田主将。期待感は高まっている。

■4回戦の壁を破る

現チームは2年生12人、1年生13人で、決して中学時代からレギュラーとして活躍していた選手たちが集まっているわけではない。だが、「力的にはまだまだですが、一生懸命練習する子が増えてきて、少しずついい戦いができるようになってきた」と高橋監督は言う。会場校にもなるグラウンドには日々、選手たちの活気あふれる声が響き、朝練、夕練と、短い時間の中でも自主性を重視した練習で汗を流し、腕を磨いている。  2010年以降の府中工科の戦績を振り返ると、夏に4度(2011年、12年、13年、18年)4回戦に進出しているが、いずれも4回戦止まり。その“壁”を今度こそ打ち破れるか。「前回の4回戦(18年)のチームよりも今年の方がバランスは良い」と高橋監督。走塁、守備練習に取り組みながらも、監督、選手ともに「打ち勝ちたい」と口を揃えるチームが、今後どこまで成長し、どのような戦いを演じるのか。今年のスローガンは「都立No. 1」。今年4月に学校名を「府中工」から「府中工科」に変えたチームが、新たな歴史を作る。

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