2017年秋にベスト32に進出した気鋭
東海大相模元コーチが加わり指導体制強化
2017年秋にベスト32に進出したアレセイア湘南。新時代の野球は、「本気」を追求することでベスト16以上を目指していく。
■2014年夏に神奈川大会初勝利
チームは進化し続けている。アレセイア湘南は2000年の男女共学化に伴い2005年に野球部が誕生。限られた環境ながらもチャレンジし続けたチームは、創部10年目の2014年夏に神奈川大会初勝利を挙げた。さらに2017年秋には春・秋を通じて初の地区予選突破を果たすと、県大会2回戦で大師に勝利しベスト32進出を果たした。きっかけをつかんだチームはさらなる進化を図ったが、2020年春からのコロナ禍によって小休止を余儀なくされた。だが環境が制限された中でも、選手たちはひたむきに努力を続けて2022年夏2回戦では厚木東に勝利。チームの士気は高まっている。
■野球を楽しむスタイルを継承
指導体制にも変化があった。2020年度までは武相出身の村山雄一監督が軸だったが、2021年春には、元東海大相模コーチの宮崎大将コーチが着任。宮崎コーチは、2010年夏の甲子園準優勝メンバー。コーチとしては2021年春の選抜優勝チームに帯同していた。その春に、アレセイア湘南に教員採用となり、野球部指導に携わる。チームは、野球を楽しむスタイルを継承しながら、新たなエッセンスを加えている。今年のチームテーマは「本気」。村山監督は「限られた時間・環境の練習だが、本気になることでチームは変わる。生徒たちには野球を通じて、本気の意味を理解してほしい」と話す。
■昨秋は5年ぶりに予選突破
本気になったチームは、着々と地力を伸ばす。年間を通じたフィジカルトレーニングと補食によってチーム全体がサイズアップ。新チームは2年生7人、1年生16人だったが、秋予選で結果をつかんだ。予選ブロックは、相洋、慶応藤沢、茅ケ崎という決して簡単ではない組み合わせだったが、慶応藤沢、茅ケ崎に勝利して2勝1敗で2017年以来5年ぶりに予選突破。秋県大会では2回戦で相模原弥栄に屈したが、堂々の戦いをみせた。チームは、最速135キロの右腕エースの田中大夢主将、攻守の要・田村剛希(2年=内野手)を軸にじっくりと力を蓄えている。田中主将は「練習が楽しくて、春が来るのが待ち遠しい。みんなの力を合わせて、過去最高のベスト32を超えて、ベスト16以上を目指していく」と声を弾ませる。アレセイア湘南は“本気のプレー”を大舞台で表現していく。