【旭丘】 「進化の証」

過去最高の32強を超えて新たな歴史へ
2年連続秋地区予選1位通過の気鋭

 西湘地区の気鋭・旭丘がチーム力を高めている。最近の大会で白星を増やす選手たちは、「愛されるチーム」というビジョンの先にある結果をつかんでいく。

■確かな地力を蓄えるチーム  

旭丘は2015年まで初戦敗退のチームだった。しかし地道なチーム強化によって結果が導かれるようになった。「愛されるチーム」というビジョンのもと練習に励むチームは、あいさつ・礼儀などを徹底した上で、野球に向き合っている。選手たちが真剣に野球を楽しむムードと、活気溢れる練習風景が、チームの発展を物語っている。土台ができつつある旭丘は2019年夏の神奈川大会で4回戦(ベスト32)へ進出。2021年秋には予選で立花学園に勝利し1位通過すると、県大会2回戦で法政二を撃破し周囲を驚かせた。2022年夏も2勝を挙げて3回戦へ進出。これらの結果は、単なる偶然ではなく必然。日々の練習に打ち込む選手たちは、確かな地力を蓄えつつある。

■3学年が一つになるチーム  

昨秋も一つの成果を挙げた。今季のチームは、3年生4人、2年生22人の編成(4月に1年生が加入)。前チームからレギュラーメンバーが大きく入れ替わったことに加えて、最上級生が少なかったことで、不安もあった。だが先輩たちが残してくれた土台を継承し、選手たちが夏場に努力を続けたことでチームは成長。引退した先輩たちが後輩たちをサポート、チームは一体感を持って予選へ向かった。昨秋地区予選で平塚湘風、湘南台、高浜に3連勝して予選首位通過。実力校・湘南台に3対1で勝利したことも大きな自信となった。これで2年連続の秋予選1位突破となった。県大会初戦の2回戦では神奈川工に屈したが、持てる力は発揮した。平野監督は「これまでの選手たちが築いてくれた土台の上に今のチームがある。若いチームだが、可能性を感じた」と評価する。

■高まる期待、今春には約50人の大所帯へ  

今年のチームは、須藤大翔主将(3年=投手)ら4人の3年生が中心となってチームを作っていく。力を伸ばす2年生が、先輩たちを力強くサポート。伸びしろ十分の実戦派右腕・塩田虎太朗(2年)、ショートストッパー沖野祐斗(2年)らが役割を果たす。須藤主将は「冬の練習を乗り越えて、選手たちがお互いに意見を主張できるようになった。学年に関係なくチームを高め合うことで夏には過去最高のベスト32を超えるベスト16以上を狙っていく」と前を向く。4月には約20人の新入部員が加わる予定で、約50人の大所帯となる見込み。小田原に拠点を置く旭丘が、西湘エリア、そして神奈川の勢力図を変えていくかもしれない。

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