3年生の皆さん、お疲れ様でした!
投打の魅力十分、ポテンシャル軍団
2000年夏以来2度目の甲子園へ
2015年夏準優勝、2019年夏ベスト4、2020年夏ベスト8となった伝統校・日大豊山。春以降に進化を遂げたチームは2000年夏以来2度目の甲子園を狙っていく。
■選手育成の揺るぎない“土壌”
日大豊山は2015年夏の東東京大会で甲子園まで“あと1勝”に迫る準優勝となっている。その後もベスト4、ベスト8へ進出し力を発揮している。文武両道の精神で野球の魅力を追求しながら全員が成長していくスタイルが近年のトレンド。2022年秋には2015年のエース吉村貢司郎(国学院大―東芝)がヤクルトから1位指名を受けて入団。2021年夏の左腕エース玉井皓一朗(日大)、2022年の捕手・狩野光晴(中央大)も将来が期待される。日大豊山は高校野球で勝利を追求しながらも、次のステージで光る好選手を続々と輩出。チームには選手育成の揺るぎない“土壌”がある。
■春以降に進化を遂げるチーム
最近の大会で敗れた相手は、甲子園常連校だ。2022年春には二松学舎大附、2022年夏には関東一に敗戦。新チームでの初陣となった2022年秋には東海大菅生に5対7で惜敗となった。東海大菅生戦は、序盤にリードを許しながらも粘り強く戦い、接戦に持ち込んでいる。冬を越えて迎えた春は1回戦で実力校・日大二に9対5で勝利し幸先良いスタートを切ったが、2回戦で文京に3対4で敗れてしまった。OB指揮官の福島直也監督は「先をみたわけではないが、チームとしての甘さが出てしまった。甘さを排除しなければ夏に勝ち上がることはできない」と再起を促した。敗戦を糧にしたチームは春以降の練習試合で、関東強豪相手に好勝負を演じるなど変化の兆しが見え始めた。
■チームスローガンは「克己」
2023年夏へ向かうチームは、堅実なインサイドワークと統率力が光る佐藤優斗主将(3年=捕手)と、最速145キロのエース井上雅也(3年)のバッテリーが軸になる。投手陣は井上を軸に、タイプの違うピッチャーが揃い、層の厚みが今季の特長だ。打撃陣は、3番・上野竜仙(3年=外野手)、4番・光永翔音(3年=内野手)が迫力のスイングをみせる。光永は、水泳インターハイバタフライで高校王者となった「二刀流」スラッガー。190センチのサイズからのフルスイングで相手投手に圧力をかけていく。クリーンアップの迫力に機動力を絡めた攻撃で、夏のトーナメントを席巻していく。今年のチームスローガンは「克己」。佐藤主将は「秋、春に悔しい負け方をして、自分たちには夏しか残っていない。敵は相手ではなくて自分たち。自分たちに勝つことで勝利が見えてくる」と決戦の地に立つ。選手たちが持つすべての力を“開放”したとき、甲子園への道が拓ける。