2年連続夏ベスト16のダークホース
「トリプルエース」で目指す悲願の甲子園
2年連続夏ベスト16となった東東京の新鋭・立志舎。地力を蓄えるチームは、ベスト8の壁を突き破るべく牙を研ぐ。
■チームに地力がついた証
今夏も立志舎は強かった。昨夏に5回戦(ベスト16)に進出したチームだが、今夏も進撃をみせた。2回戦で目黒に10対0、3回戦では板橋に3対2で競り勝つと4回戦では小松川を6対0で下した。昨夏と同じ5回戦へたどり着くとベスト8進出をかけて文京と対戦した。ゲームは、ロースコアの投手戦。5回までスコアレスの緊迫した戦いとなったが、立志舎は6、7回に各1失点を喫し、0対2で惜敗となった。自慢の打線が相手投手に抑え込まれて得点を奪えなかったがベストは尽くした。創部初のベスト8は逃したものの、堂々の2年連続夏ベスト16。それはチームに地力がついてきた証だった。
■コミュニケーション重視の指導
立志舎は1999年開校の私立校。生徒の個性を活かす教育を目指し、目標や進路に合わせたクラスを設定している。野球部は創立と同時にスタートし着実に実績を残してきた。2020年度からは、「普通クラス」の1クラスを、スポーツクラスに設定。選択科目授業で運動を選べるほか、水曜日授業にはクラブ活動が組み込まれている。火・水・木曜は江戸川河川敷のグラウンドで練習、金曜は学内でフィジカルトレーニング。週末は公式戦、練習試合となっている。井町直貴監督は「主役は選手たち。生徒とのコミュニケーションを大切にしながらレベルに合わせた指導を行っています。生徒たちが努力できる環境を整えてきたことが、2年連続夏ベスト16の結果につながったと考えています」と語る。
■個性あふれる選手たちが躍動
新チームは、今夏のレギュラーが残り、継続した戦いが可能となる。投手陣は、今夏に好投した恩知晃雅(2年)高橋斗波(2年)の両左腕が力を伸ばすほか、本格派右腕・豊蔵優(2年)が球速を上げている。トリプルエースの力を最大限に発揮できれば、ベスト8の壁を破ることは可能だ。打撃時は、センスあふれる3番打者・鈴木晶也(2年=内野手)が軸になり、チャンスでは一気呵成の攻撃をみせる。山中康仁主将(2年=内野手・投手)は「個性あふれる選手たちの力が一つになれば、どんな相手でも戦えると思います。2年連続ベスト16の結果を土台にして、ベスト4以上、そして優勝を狙いたい」と高みを目指す。2年連続16強は、飛躍の始まり。立志舎は東東京の頂点を目指して、志高く、努力を続けていく。