16年ぶり11回目の夏甲子園
大舞台でも底力みせて逆転勝利
16年ぶり11回目の夏甲子園となった文星芸大附が、16年ぶりに夏1勝を挙げた。大舞台でも粘り強さを発揮したチームは、古豪復活の狼煙を上げた。
■執念の戦いでスタンドに勝利届ける
文星芸大附は、栃木大会決勝で作新学院に土壇場で追い付かれながらも、9回裏に黒崎翔太のサヨナラホームランで6対5の劇的勝利。執念の戦いによって16年ぶりの甲子園切符をつかんだ。甲子園では初戦となった2回戦で宮崎学園と対戦した。文星芸大附は、サウスポーエース澁谷優希からの継投策で県大会を勝ち抜いてきたが、澁谷、2番手・堀江正太郎が5回までに計7失点し、3対7と劣勢になった。しかし、3番手・工藤逞が相手打線を封じ込めて流れを引き寄せると終盤に6点を奪って9対7で逆転勝利を果たした。勝利の方程式が崩れたが、執念の戦いでアルプススタンドに勝利を届けてみせた。
■初回の4失点が響いて反撃届かず
3回戦では、強打を誇る八戸学院光星(青森)との戦いとなった。先発の澁谷が1回裏に、制球が定まらずに4失点する展開。文星芸大附は、打撃陣が援護すべくチャンスをうかがっていったが、得点差をつめることができない。1対6で迎えた8回に4番・小林優太のタイムリーで2点を返して反撃態勢に入った。しかし、4点目が奪えずに3対6で涙をのむ結果となった。初回の4失点が大きく響いて反撃が届かなかった。高根澤力監督は「選手たちは甲子園でも素晴らしい戦いをみせてくれた。もう1勝させてあげたかった」と語った。文星芸大附にとって今夏は名門復活の第一歩。16年ぶりに甲子園への扉を開けたチームは、常勝軍団への道を歩んでいく。