第76回秋季関東地区高等学校野球大会レポート
春夏通算50度の甲子園出場の名門
2017年春以来の選抜出場困難へ
早稲田実が秋季都大会準決勝で関東一に屈してベスト4で戦いを終えた。経験値の高い選手が揃うチームだが、壁を越えることができなかった。
■宇野、高崎、石原がキーマン
春夏通算50度の甲子園出場、2度の全国制覇を誇る名門・早稲田実。2000年代も7度の甲子園出場を果たしているが、夏は2015年、春は2017年を最後に甲子園から遠ざかっている。2015、2017年は清宮幸太郎が在籍したこともあり盛り上がっていたが、過去5年の春・夏・秋大会では6度のベスト8、1度のベスト4を果たしたが決勝へ進むことができていない。今秋へ臨んだ新チームの選手たちは、1年生から試合出場を重ねた選手が多く、経験値を備えたチーム。2017年春以来の甲子園を狙うチャンスだった。今秋は、攻守のセンスが光る宇野真仁朗主将、世代屈指の内野手・高崎亘弘、スラッガー石原優成を軸にトーナメントへ向かった。
■準決勝の壁を越えられず
秋季都大会では1回戦で東京実、2回戦で高島に勝利すると、3回戦では夏の東東京ベスト4の岩倉と対戦。乱打戦となった中で、8対5の3点リードで迎えた9回表に5点を奪われて8対10と絶体絶命の窮地となった。だが9回裏に松尾佑真のソロ本塁打で反撃の狼煙を上げると、小薗井陸也の2点二塁打で劇的なサヨナラ勝利。準々決勝では西東京のライバル日大鶴ヶ丘と対戦して9回表に逆転して5対4で逃げ切った。勢いに乗って準決勝・関東一戦へ臨んだが、相手の隙のない野球に劣勢となり1対5で敗れた。 和泉実監督は「うちは宇野と高崎を軸にしたチームだが、ふたりが抑えられた。攻守において力が足りなかった」と敗戦を受け止めた。チームの課題は、投手力と下位打線。早稲田実は、秋ベスト4を糧にして春・夏に「壁」を突破していく。