5年ぶりの夏勝利へチームに活気
本格派右腕エース宮原の進化に注目
地域伝統校・茅ケ崎が虎視眈眈とジャイアントキリングを狙っている。今季のチームは、実戦経験の多い選手が揃う期待の世代。2024シーズンは5年ぶりの夏勝利を目指す。
■活気あふれるチーム
「茅高」は、体育祭や球技大会、文化祭などで盛り上がる地域伝統校。約40キロの距離を歩く「ナイトハイク」を実施することでも知られる。部活動は野球部のほか、サッカー、バスケ、ソフトボール、チアリーディングなどが盛んで、文化部では軽音楽部の人気が高い。野球部は、2018年の南神奈川大会で4回戦へ進出するなどの実績を持つ。近年は校舎耐震工事によって校庭にプレハブが建てられていたが今春に撤去されてグラウンドが使えるようになった。選手たちは、威勢の良い声を上げながら日々の練習に励んでいる。
■「攻守交代1分以内」がテーマ
前チームは3年生選手が5人と少なかったため、多くの2年生たちがレギュラーとしてスタメンを張った。今夏の神奈川大会1回戦では5人の2年生たちが先発出場し、大磯と対戦。初回に1点を先制したが4回に守備で耐えきれずに9失点。粘りの戦いをみせたが4回の大量失点が響いて2対9の7回コールドで敗れる結果となった。新チームをまとめる坂口尚輝主将(2年=内野手)は「夏は初戦で負けて先輩たちの力になることができなかった。あの悔しさを僕たちの代で取り返したい」と話す。新チームで迎えた秋予選は湘南、湘南工大附、西湘と同じブロックに入ると、西湘に勝利したが湘南、湘南工大附に屈して1勝2敗で予選敗退となった。湘南には1対4と善戦したが、あと一歩及ばなかった。杉山滉太(2年=捕手)は「新チームに自信はあったが、チームとして足りない部分を多く感じた。この冬に課題を克服していきたい」と力を込める。秋予選を終えたチームは「攻守交代1分以内」をテーマに、日頃の練習から迅速な行動を意識している。
■夏のダークホースへ
2024年夏へ向かうチームの注目は、身長184センチ、最速132キロの本格派右腕・宮原広洋(2年)だ。恵まれた身体を活かしたダイナミックなピッチングが特長。まだ結果を残すことができていないが、伸びしろは十分。秋予選敗退後のフィジカル強化によってサイズアップ。ストレートの威力が増して春・夏に覚醒する可能性が高い。また、実戦派右腕・田澤祐之介(2年)も力を伸ばし投手力は計算できる。リードオフマン伊藤徹平(2年=内野手)、センター川名柊汰(2年=外野手)、主砲・坂口主将、杉山らが得点に絡めれば5年ぶりの公式戦勝利が見えてくる。雪辱を期すチームは1年生のショートストッパー西村玲慈も力を伸ばし内野守備を支える。主戦・宮原は「冬にしっかりと練習を積んで、春・夏にはチームを勝たせられるピッチャーになりたい」と話す。2024シーズン、茅ケ崎がダークホースになる。