1999年春、選抜甲子園に出場した伝統校
2度目の甲子園へ、みなぎる闘志
1999年春に選抜甲子園に出場した伝統校・駒大高。選手の個性を活かした力強い戦いをみせるチームは、2度目の甲子園を狙っていく。
■部員数は3学年合わせて約100人
東京都世田谷区上用賀の住宅街に位置する駒大高。正門をくぐると、校舎の前に甲子園出場の記念碑がある。駒大高は1999年春、選抜切符を獲得して甲子園初出場を果たした。当時のチームの捕手としてプレーしたのが、現指揮官の川端教郎監督だ。情熱みなぎる川端監督は、甲子園経験を持つ指導者として、さらには良き先輩として選手たちの指導にあたる。部員数は3学年合わせて100人に迫る。駒澤大の付属であることと、個性を尊重するチームビジョンによって多くの生徒が門を叩く。平日の練習は、学校の人工芝グラウンド。ダイヤモンドほどのスペースでノックを受けて、その周囲でティー打撃などを繰り返す。限られたスペースで選手が切磋琢磨するが、“人口密度”は都屈指。その工夫がチーム強化につながる。週末は、神奈川県厚木市にある「駒大高グラウンド」で思いきりバットを振る。
■2021年夏の西東京大会ベスト8
チームは着実に力をつけている。2021年夏の西東京大会では進撃をみせてベスト8へ進出。昨年夏も力強い戦いをみせて5回戦(ベスト16)まで駒を進めている。安定した戦績を残していると言えるが、選手たちはこれらの結果に満足していない。それこそが甲子園を狙っている証。選手たちは、立ちはだかる壁を突破して聖地までの道を切り拓く覚悟だ。チームは昨夏の5回戦で富士森に0対3で惜敗。新チームで迎えた昨秋には1次予選で狛江に0対1で敗れた。いずれも手に汗握る投手戦となったが、打線が援護できずに都立相手に悔しい敗戦となった。川端監督は「練習試合でできていることが公式戦でできていない。もう一度、野球の取り組みから見直していかなければいけない」と選手の奮起を期待する。
■「行学一如」の建学の精神
今年のチームは「最強世代」になる可能性を秘める。駒大高は例年、選手たちがダイナミックにバットを振っていく攻撃野球を展開するが、この世代は投手を中心にしっかりと守れるベースがある。キャプテンシーを発揮する竹田壱茶主将(3年=捕手)と強心臓のエース長谷川心風(3年)のバッテリーがチームの軸。自慢の打線は、西東京屈指のリードオフマン菊池匠太(3年=外野手)、勝負強さを備える梅澤誠司(3年=内野手)、2年生主砲・大城翔宇(外野手)が快音を響かせる。竹田主将は「今年のチームは攻守のバランスが良く、投打の戦力が整っている。守備でしっかりとゲームを作って、チャンスで畳み掛ける攻撃をみせていきたい」と夏の舞台へ照準を合わせる。蒼き獅子たちは「行学一如」の建学の精神にのっとり、日々の行いを大切にしてグラウンドへ向かう。2度目の甲子園は、日々の行動の先に存在する。