攻守に力強い戦いをみせる地域伝統校
全力疾走プラス気持ち&気迫で甲子園へ
攻守に力強い戦いをみせる伝統校・栃木工の今年のスローガンは「全力疾走プラス気持ち&気迫」。夏大会を控えて士気上がるチームは、悲願の甲子園を狙って夏のトーナメントへ挑む。
■私学相手に真っ向勝負の心意気
伝統校・栃木工が虎視眈々と甲子園を狙っている。選手の情熱によって毎年確かな力をつけるチームは2019年春の準々決勝で作新学院、準決勝で国学院栃木を撃破して準優勝となった。同年秋の台風浸水被害や2020年春からのコロナ禍などの試練を乗り越えると、2022年春には準々決勝で文星芸大附に勝利してベスト4へ進出した。同年夏には3回戦で国学院栃木に1対2で惜敗、同年秋には準々決勝で青藍泰斗に屈した。勝ち上がることはできなかったが、私学相手に真っ向勝負。その経験は、今季のチームに継承されている。
■タイプの違う投手陣が軸
シードで臨んだ今春は4回戦で茂木に5対9で敗れる結果となった。春大会直前に、チーム内にインフルエンザが広がったことに加えて負傷者が出たことで万全ではなかったが、言い訳をすることなく4回戦敗戦を受け止めている。春大会後にはエース左腕・塚原翔貴(3年)を軸に、大野真聖(3年)、石川芭龍(3年)の投手陣の整備が進み、安定してゲームを作ることができるようになった。2022年春の準決勝で作新学院相手に好投した左腕・塚原は「テンポ良いピッチングでチームにリズムを生み出した。投手陣みんなの力で勝ち切っていく」と夏へ向かう。
■夏直前、迫力を増す打線
打線もじわじわと迫力が増してきた。クリーンアップは松本蓮斗(2年=外野手)、髙久大地(2年=内野手)、柴優斗主将(3年=内野手)。レギュラーの半数を2年生が占める若いチームだが、3年生がチームを牽引し一体感が生まれている。攻守の要となるのは2番・本澤大和(3年=外野手)だ。俊足巧打のクラッチヒッターで、センターの守備範囲は県屈指。チームのアクセントとなる本澤は「どんな相手でも自信を持って戦っていく。私学を倒して甲子園へ行きたい」と静かな闘志を燃やす。チームのスローガンは「全力疾走プラス気持ち&気迫」。全力疾走を遂行することに加えて、気持ち、気迫を前面に出して戦っていく。柴主将は「全員の力を一つにして全力で甲子園へ向かっていく」と夏を見据える。選手たちの気迫が、甲子園へのチケットを手繰り寄せていく。