昨夏3回戦で作新学院と延長激戦
春初戦敗退の悔しさを糧に2024年夏へ

夏の栃木大会で確かな成長を示す足利大附。今季のチームは春に結果を残すことができなかったが、力は備わっている。足利大附のプライドを宿す選手は「最後の夏」に向けて力を振り絞っていく。

■格上相手に勝利を追求していく

 個性あふれる選手たちが足利大附のグラウンドで、それぞれの武器を磨く。彼らの努力が夏の結果につながっている。2022年夏には2回戦で白鷗大足利に5対3で勝利すると、準々決勝では国学院栃木に惜敗したが、堂々のベスト8進出を果たした。昨夏には3回戦で作新学院と対戦して、川上蒼空、丸山遥也の2年生(現3年)の好投によって9回を終えて3対3で延長タイブレークへ持ち込む接戦を演じた。最終的には10回表に3失点して3対6で敗れたが、作新学院に対して一歩も引かない戦いぶりには大きな拍手が送られた。周囲の評価は高まっているが、選手たちは「善戦」に満足してはいない。格上相手に勝利を追求することが次なるミッションだ。

■すべての練習が試合への準備

 足利大附が実践するのは、投手を軸にしながら勝負所で得点を奪い切る戦いだ。今シーズンからは、飛距離を抑えた新基準バットが採用されるが、投手力の高い足利大附にとっては好材料となる可能性が高い。荻原敬司監督は「(新基準バットで)飛距離が抑えられる中で、投手力と守備力が鍵になる。失点やミスを抑えて、勝負所でいかに力を発揮するかが鍵になる。選手たちには、持てる力のすべてをゲームで発揮してほしい」と語る。目指すは、ピッチャーを中心にしながらもピッチャーだけに頼らないチーム。指揮官は、「投手陣」と「打撃陣」を競争させながら切磋琢磨を促す。日々のすべての練習が、試合への準備となる。

■残り3カ月にすべてをかける

今年のチームのスローガンは、「何苦楚魂(なにくそだましい)」。どんなに苦しい状況でも強い気持ちで乗り越えていく姿勢を追い求める。選手たちは、接戦を勝ち抜くためにも泥臭く、野球に向き合っていく。チームは、増山隆太主将(3年=内野手)を軸に、提橋大雅(3年=内野手)、籾山要(3年=外野手)らが攻撃のアクセントとなる。投手陣は、川上、丸山に加えて2年生サウスポー蓼沼叶夢が成長してブルペンは充実。秋はベスト16に進出したものの、春は1回戦で那須拓陽に惜敗。選手たちはその悔しさを胸に、夏までの残り3カ月にすべてをかける。「何苦楚魂」を体現するのは、ここから。選手たちは気持ちを一つにして、夏の飛躍を目指していく。

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