2023年夏に16年ぶり11度目の甲子園出場
プロ注目のエース堀江を軸に連覇を狙う
昨夏の栃木大会を制して、16年ぶり11回目の甲子園出場を果たした文星芸大附。投手力を武器にする今年のチームは、士気高く夏連覇を狙っていく。
■連覇を懸けての熱き戦い
また夏がやってきた。前回大会は、準決勝で国学院栃木を撃破して決勝へ駒を進めた。ファイナルの舞台では永遠のライバル作新学院との対戦となったが、5対1で迎えた9回表に4失点して同点に追いつかれる嫌な展開。しかし選手たちは、その状況をも楽しんでいた。そして9回裏に黒﨑翔太が劇的なサヨナラ本塁打を打ち込んで激闘に終止符を打った。チームは2018年秋からOB指揮官の高根澤力監督が率いていたが、16年ぶり11回目の甲子園出場を実現させた。それは名門復活の瞬間だった。ディフェンディングチャンピオンとして迎える今季は、連覇を懸けての戦いとなる。
■プロ注目のエース堀江を軸にいざ勝負
今年のチームは、全国レベルの投手層が武器となる。注目は最速146キロのプロ注目本格派右腕・堀江正太郎(3年)。身長187センチの大型右腕で、しなやかな腕の振りから威力あるストレートを投げ込んでいく。春大会から登板する試合には、プロスカウト陣が集結し進化の過程を入念にチェックした。昨夏に甲子園を経験したエース堀江は「将来の目標はプロ入りだが、今は目の前の夏大会に集中してもう一度甲子園のマウンドに立ちたい」と気持ちを込める。吉田大和(3年)、中野泰生(3年)も140キロオーバーをマーク。左腕・瓦井瑠夏(3年)も貴重な存在だ。打撃陣は、小松啓人(3年=外野手)、佐藤悠晟(3年=外野手)、佐藤駿稀(2年=内野手)が軸となる。
■甲子園へのタスキを次世代へ
最高のジンクスもある。高根澤監督の現役時代の夏は、選手宣誓をして甲子園へ出場。昨夏も入江陽主将が選手宣誓を引き当てて優勝を成し遂げた。今夏も木伏遥斗主将(3年=内野手)が抽選によって2年連続で文星主将が選手宣誓の大役を担う。2度の宣誓で2回とも甲子園出場を果たしているため、チームにとっては吉報だ。「連覇を狙えるのは文星だけ。チームの勝利のために全力を尽くしたい」(木伏主将)。文星芸大附の校是は「ライオン主義」。どんな相手でも全力を尽くすという教えだ。昨季のスローガンは「獅命」だったが、今季は「闘獅〜繋ぐ想い、そして連覇へ〜」。選手たちは、連覇への闘争心をむき出しにして夏のトーナメントへ挑む。甲子園へのタスキを次世代へ繋ぐことがミッションとなる。