甲子園出場11回&2度の全国制覇を誇る伝統校
エース児玉を軸に36年ぶりの甲子園を目指す
1960年夏、1961年春に甲子園優勝を果たした伝統校・法政二。計11度の甲子園出場の実績を誇るチームは、1988年夏以来36年ぶりの聖地を目指す。
■昨秋大会は9年ぶりにベスト16
昨夏は優勝候補の一角として神奈川大会にエントリーした。三木翔太郎主将(現法政大)、2年生左腕エース児玉賢斗(現3年)を擁した法政二のバッテリー力は神奈川屈指。士気上がるチームは横浜スタジアムを目指したが、4回戦で市ケ尾に屈して夏を終えた。勝ち上がるだけの力はあったが、結果的には無念の敗退。新チームをまとめる小川達也主将(3年=捕手)、エース児玉ら選手たちは、夏大会後にミーティングを実施して方向性を再確認した。小川主将は「自分たちの甘さが(4回戦の)敗戦につながった。野球に取り組む姿勢など、チームとして変わらなければいけないと痛感した」と話す。出直しを図ったチームは、昨秋大会で9年ぶりにベスト16へ進出し復活の一歩を踏み出した。
■泥臭く食らいついていく
冬を越えて迎えた春大会は、秋以上の結果を残すべくゲームに挑んだが、2回戦で川和に0対6で完敗を喫してしまった。昨夏と同じく県立チームに敗れる結果に、選手たちは肩を落とした。相手の力が上だったのは確かだが、自分たちの力が発揮できなかったのもまた事実。エース児玉は「自分たち投手陣が耐えられず、チームを勝たせることができなかった」と振り返る。チームは春の敗戦を糧に、強い気持ちで夏へ向かっていく。投手陣は、エース児玉、内田悠人(3年)が軸。打線は、小川主将、星野昂大(3年=外野手)、秋丸立志(2年=外野手)のクリーンアップが頼もしくなってきた。小川主将は「昨夏に続いて、春も残念な結果になった。どんな相手にも必死に戦って、泥臭く食らいついていかなければいけない」と引き締める。
■春大会の武相優勝がチームに刺激
チームにとっての刺激は、春大会で武相が優勝したことだ。法政二と武相は、1960年代に神奈川の覇権を争った。絹田監督は「武相さんが春に優勝したことはうちにとって刺激になった。武相さんに負けずに、伝統校復活を目指したい」と語る。夏大会を控えてエース児玉を軸とする投手陣の調子が上がり、進撃の予感が漂っている。チームのスローガンは「覚醒」。「伝統を引き継ぎながら新しい歴史を作っていきたい。自分たちの力をすべて発揮することが勝利につながっていく」(小川主将)。法政二は36年ぶりの甲子園出場に向けて目覚めていく。