【太田】「やり切る、勝ち切る」

結果を残す伝統進学校、2024年への挑戦
2023年秋ベスト8進出、進化する「考える野球」

甲子園初出場を狙う進学校・太田は過去3年間にベスト4に2度、ベスト8に3度進出するなど公立普通校としてはトップの戦績を残す。昨秋もベスト8へ進出したチームは2024シーズンの飛躍を誓う。

■太田が目指す「考える野球」

授業を終えた選手たちはそれぞれがグラウンドへ駆け出してくると、効率的に準備を進めてチームのウォーミングアップを始める。その様子からは規律と自主性が両立するチームの特長が感じられた。「考える野球」という太田が目指すスタイルは、確実に選手たちに浸透している。太田は2021年春の3回戦で前橋育英を撃破する進撃をみせるとベスト4へ進出。同年夏も4強へ勝ち上がり、伝統に宿る強さを発揮してみせた。その後もベスト8まで勝ち上がると、昨秋大会では6大会ぶりにベスト8へ辿り着いた。

■地図を広げて頂点へ

太田が、敗れた相手の多くは健大高崎、前橋育英などの私学強豪。その壁をいかに越えていくか。選手たちは、自分たちで“地図”を広げて頂点までのルートを探る。チームでは選手たちが日々、野球ノートに向き合い、課題を克服している。打撃陣は体力測定の数値、投手陣は球質解析システムのデータを参考に強化を図っている。夏から主軸だった攻守のキーマン丹羽晃副将(2年=内野手)、飯島暖太(2年=外野手)がチームを牽引。瀬川皓星主将(2年=捕手)がチーム全体をまとめて舵を切っている。瀬川主将と丹羽副将は同じ太田城東中出身(丹羽は桐生ボーイズでプレー)で家も近いため帰り道にミーティングをしながら帰宅しているという。丹羽は「ベスト8以上に行くには私学強豪を倒す必要がある。高いレベルを意識して練習に取り組まなければいけない」と力を込める。

■勝ち切ることで壁を突破

今季のチームは、機動力を活かした攻撃が特長。飯島、丹羽副将の1・2番コンビでチャンスをつくり、主軸の瀬川主将へつなげていく。投手陣は、抜群の安定感をみせるエース岩嵜奏汰(2年)、右サイドの福田仁(2年)が力を伸ばすほか1年生投手も成長をみせている。チームは年末年始に太田金山への走り込み、通称「金山トレ」を行い、心技体を鍛え上げた。またウエイトトレーニングにも取り組みパワーアップを図っている。瀬川主将は「チームのテーマは『やり切る、勝ち切る』。チーム全員がやり切ることで底上げにつながる。春、夏は勝ち切る試合をみせていきたい」と前を向く。OB指揮官の岡田友希監督は「秋ベスト8の結果は大きな手応え。これまで越えられなかった壁を打ち破っていきたい」と語る。甲子園は視界に入っている。選手たちは、頂点へ向かい一歩一歩進んでいく。

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