2022年秋にはY校を撃破した気鋭
秋予選の悔しさを春・夏へぶつける
2013年夏にベスト16に進出するなど確かな実績を残してきた茅ケ崎北陵。昨秋の地区予選で惜しくも敗退したチームは、「身体」と「声」を強化して春・夏へ挑む。
■次なる金星を狙う選手たち
勇敢な戦いによって各大会で名勝負を演じてきた地域進学校・茅ケ崎北陵。2013年夏にはベスト16に進出。その後も私学強豪相手に一歩も引かない戦いを演じるなど、存在感を発揮してきた。2022年秋には3回戦で横浜商と対戦して4対0で勝ち切ってみせた。その試合で先発したのは当時1年生だったサウスポー増山大馳(2年)。増山はY校相手に粘り強い投球で失点を許さずに4安打完封勝利を収めた。チームは上昇気流をつかんだかに見えたが、神奈川の高校野球は簡単ではない。選手たちは、もがき、戦いながら、次なる金星を狙っている。
■10分間の選手MTGで心を整理
2023年夏大会後に始動したチームは、サウスポー増山のほか、平出一康(2年=内野手)ら主軸が残り、チームの骨格は見えていた。8月下旬の地区予選では藤沢翔陵、慶応藤沢、七里ガ浜と同じブロックに入った。七里ガ浜には勝利したものの藤沢翔陵(4対7)、慶応藤沢(1対10)に屈すると1勝2敗で予選敗退となった。池ヶ谷昌寿主将(2年=内野手)は「藤沢翔陵、慶応藤沢戦はゲーム序盤まで戦えていたが、中盤以降に突き放されて力の差が出てしまった。この結果を受け止めていかなければいけない」と振り返る。チームは9月の練習試合でも苦戦が続く。10月以降は、練習試合前に10分間の選手ミーティングを行い、課題を整理しグラウンドへ向かった。また秋からフィジカルメニューを組み込んで身体強化に励んだ。
■投打の“最大値”は公立屈指
結果が出なかったこともあり消極的になったチームは、全体の「声」が乏しかった。「声」の大切さを説く久保寺晋也監督は活気がない日には練習をストップ、選手たちの自覚を促した。意識を変えた選手たちは、自分たちで盛り上げてチームの雰囲気を作っていった。戦力面では、サウスポー増山、実戦派右腕・玉置絃十(2年)、制球力で勝負する右腕・武藤綴平(2年)の3本柱が確立。打撃陣は、平出、濵田遼太朗(1年=内野手)らが勝負強さを発揮する。投打の“最大値”は高く、すべての力を発揮できれば上位進出も夢ではない。チームのスローガンは「懸ける」。選手たちは、すべてを懸けて、勝利を追求していく。