【湘南工大附】  「大海原へ」

3年連続夏4回戦進出、湘南の勇者たち
昨夏は横浜、昨秋は慶応に敗れた経験を糧に

2018、2019年秋にベスト8へ進出した実績を持つ湘南工大附。激戦区湘南で力を伸ばすチームは、シードクラスを撃破して未開の地へ突き進む。

■ひたむきな練習で日々進化

年間を通じて計画される日々の練習が、選手たちを成長させる。チームの底上げを実践する湘南工大附は、2018、2019年秋にベスト8へ進出するなどダークホースぶりを発揮してきた。中学時代に実績を残した選手は少ないが、地道でひたむきな練習によって日々進化。最終学年ではトレーニングの成果を発揮して、タフなゲームをみせていく。夏の舞台では2021年から3年連続で4回戦へ進出。昨夏は1回戦でアレセイア湘南、2回戦で鶴見大附、3回戦で大井に勝利。4回戦では横浜と対戦して2回まではスコアレスだったが、3回以降に耐えきれずに3対13で屈した。榊淳一監督は「甲子園常連校相手にいかに戦うかがカギになる」と話す。

■投手育成に定評、進化するピッチャー

湘南工大附は投手育成に定評がある。昨夏はエース小泉怜央が力強いピッチングをみせるなど、努力の成果を発揮。また、2018年度卒業のアンダースロー右腕・下川隼佑(神奈川工科大卒=オイシックス新潟アルビレックス)がドラフト候補に挙げられるなど活気付く。今季は、エース西川大翔(2年)と小林尚太(2年)のダブルサウスポーが台頭。二人とも130キロ超のストレートと緩急をつけた変化球を軸にゲームを作り、春以降のさらなる飛躍が期待される。エース西川が「シードクラスを倒すために球速を上げて、変化球の精度を高めていきたい」と話せば、小林は「トーナメントで勝ち上がるには、甘いボールが許されない。一球を大切にしていく」と気持ちを込める。進化するピッチャーが躍進の原動力となる。

■「2時間以内」のゲームを目指す

今季の湘南工大附が目指すのは、テンポの良い試合だ。守備からリズムを作って、素早い攻守交代によって「2時間以内」のゲームを目指す。内野は小林大地(2年)、永井康太郎(2年)の二遊間が堅実な守りでアウトを積み上げる。センター宮田遥生(2年=外野手)は広いエリアをカバーし投手陣を助けていく。昨秋大会では3回戦で慶応と対戦し0対9で完敗。昨夏に横浜、昨秋に慶応と対戦した経験を、春・夏へつなげていく。飛澤陽成主将(2年=内野手)は「できることを確実に積み上げることで成長していきたい。春はシード権を獲得して夏はベスト4以上を狙っていく」と力を込める。湘南工大附は、荒波に負けずに大海原へ漕ぎ出していく。

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