2004年夏、2010年秋にベスト4進出の実力校
2023年秋は6年ぶりのベスト16進出
2015年夏にベスト8へ進出した実績を持つ都立強豪・昭和。今季のチームは2年生が少ない状況ながらも昨秋都大会でベスト16へ進出するなど実力を誇示。選手たちは人間形成を目的にしながら都立野球のプライドを示していく。
■6年ぶりの秋ベスト16に自信
過去15年、西東京の都立ではトップレベルの戦績を残してきた実力校だ。2010年秋には準々決勝で東海大高輪台に勝利してベスト4へ進出。2015年夏にも進撃をみせてベスト8へ到達。2016年春には2回戦で早稲田実を撃破する大金星を挙げている。力を維持するチームは2018、2022年夏にベスト16へ勝ち上がり、私学優勢の状況で都立野球の真髄を体現してきた。今季のチームはコロナ禍の影響などもあり、2年生選手が5人(マネージャー2人)という戦力だったが、威力あるストレートと投球術が光るエース橋本陽輝(2年=投手)の好投などによって葛飾野(予選)、大東大一、紅葉川に勝利して6年ぶりの秋ベスト16となった。
■交通事故で負傷の主将がサポート役
チームの目標は「甲子園」。目的は「人間形成」。キャプテンを務めるのは、佐藤丈介主将(2年=三塁コーチ)。1年夏に自転車同士の交通事故によって腰を負傷。半年以上も痛みが引かずに結果的には尾骨骨折と診断された。医師から、激しい運動を制限された中で一時は退部も考えたというが、大原博文監督の助言によってサポート役に徹することを決めた。そして、新チームでは主将に任命されて、3塁ランナーコーチャーとしてゲームに“出場”する。佐藤主将は「2年生の人数が5人しかいないのに自分が試合に出られず仲間に申し訳ない気持ち。一度は野球部を辞めようと思ったが仲間と一緒に戦いたいと思った。自分ができることをやってチームに貢献したい」と前を向く。
■1球を大切にして 飛躍誓う
2024年夏へ向かうチームは、エース橋本と攻守の要・原拓未(2年=内野手)が軸になる。レギュラー6人は1年生で、境将希(1年=内野手)らが力を伸ばしている。指導陣は、大原監督のほか、竹中登責任教師、田山優雅助監督、池田典生顧問、昨年4月からは元日大二監督・田中吉樹氏が臨時指導員として選手たちを見守る(4月から正式に外部指導員)。部員数は2年生5人、1年生12人の計17人(プラスマネージャー2人)だが、全員野球で飛躍を誓う。エース橋本が「1球を大切にしてチームを勝たせるピッチャーになりたい」と話せば、キーマン原は「部員数は少ないが情熱は負けない。秋ベスト16を土台にして春・夏に勝ち上がっていく」と力を込める。冬トレで心技体を鍛えた昭和は今季、大旋風を起こしていく。