2023年春ベスト４、2023年秋ベスト８
悲願の甲子園出場へ高まる期待
近年の各大会で確かな存在感をみせている高崎商大附。選手たちの力を最大限に引き出すチームは、悲願の初甲子園出場へ向けて、機運が高まっている。
■2019年夏２回戦で健大高崎撃破
甲子園への“距離”は、近づいている。2019年夏には２回戦で、優勝候補の健大高崎に９対７で勝利する「大金星」を挙げて、大きなニュースとなった。下馬評は、健大高崎圧倒的有利の見方だったが、高崎商大附コーチングスタッフが緻密な戦術を練り上げてゲームへ臨むと、相手の猛攻に耐えて競り勝ってみせた。2023年春には、最速145キロ右腕・星野空らを軸に快進撃をみせて準々決勝で樹徳に勝利し、ベスト４へ進出してみせた。チームは甲子園にこそ届いていないが、随所にインパクトある戦いをみせている。高崎市は強豪ひしめく激戦区だが、ライバルたちからの学びを自分たちの力に変換し強くなっている。
■今年度から野球部を本格強化
チームを指揮するのは、高校野球名門・横浜高出身の渡辺賢監督だ。藤岡生まれで高校は横浜へ進学、松坂大輔の１学年下にあたり選抜甲子園出場も果たした。中央大を卒業後に高崎商大附教員となり、共学化移行直後で創部したばかりの野球部を任された。就任当時の部員は10人で、渡辺監督も一緒にグラウンドに立ってプレーしたという。チームは地域、学校の声援を受けながら着実に進化している。今年４月には野球部が女子バレー部と共に強化部に指定され、バックアップ体制も整い始め本格強化を図る。渡辺監督は「2024年度から野球部は１学年17人体制になり、甲子園に行くために練習体制なども整えていく。学校の協力に結果で応えていきたい」と話す。
■真夏のトーナメントに照準
今季のチームは、昨秋大会で連合チーム、関東学園大附、吾妻中央に勝利してベスト８へ進出した。準々決勝では明和県央と対戦して接戦を演じたが５対６で惜敗となり、初の関東大会進出には届かなかった。夏へ向かうチームは、本格派左腕・木下明祐（３年）、昨季からマウンドに立ち安定感のある右腕・髙橋勝瑛（３年）のダブルエースが軸となる。昨季からレギュラーとしてプレーする２年生の神戸幸樹（２年＝内野手）ら野手陣も力を伸ばして、再び進撃を起こす予感が漂う。髙橋、木下の両投手は「ピッチャーでゲームを作って粘り強く戦っていく」と真夏のトーナメントに照準を合わせる。
練習グラウンドの壁には「目標がその日その日を支配する」と書かれている。選手たちは、目標に向かって突き進むことで自分たちを変えていく。
