1980年代に3度甲子園出場の伝統校
学校創立100周年のメモリアルイヤー

1980年代に夏3度の甲子園出場を果たした伝統校・東亜学園。昨夏準優勝のチームは、1989年以来の甲子園出場を決めて、学校創立100周年に花を添える。今夏、35年ぶりに甲子園への扉を開く。

■昨夏決勝は9回にまさかの敗戦

東亜学園は1986年に甲子園初出場を果たすと、1987年には甲子園ベスト4の快挙を成し遂げた。さらに1989年夏に甲子園へたどり着き、1980年後半に3度の甲子園出場を決めた。昨夏の東東京大会は甲子園にあと1アウトまで迫った。決勝へ進出したチームは共栄学園と激闘を演じると、6対5とリードして9回表を迎えた。東東京制覇まであとアウトひとつだったが、9回二死1・2塁から相手の執念に屈して逆転を許し、無情の準優勝となった。相手のセーフティーバントなどで意表を突かれた形となり、流れを止められなかった。武田朝彦監督は「甲子園は見えていたが勝ち切るだけの力がなかった」と振り返る。

■大舞台を経験した選手たちが軸

今年の東亜学園は、昨夏の決勝をフィールド上で経験した松本秀太主将(3年=内野手)、米谷櫂(3年=内野手)、深野汰生(3年=投手)が軸となり始動した。チームの軸は確立されていたが、秋1次予選で武蔵丘にまさかの敗戦となり都大会出場を逃した。冬を越えて迎えた春季大会では、予選を通過し1回戦で実力校・駒場学園に勝利しチームの進化を示してみせた。続く2回戦では、日大鶴ヶ丘と投手戦を演じたが0対1での惜敗となった。投手陣はエース深野を中心に安定してきたが、チームの課題は打撃力。いかに得点を奪っていくかが鍵となる。スター選手はいないが「全力疾走・全員守備」のスローガンを遂行する「全員野球」で頂点を目指す。

■決勝戦で無念の4連敗

夏3度の甲子園出場の実績を持つ東亜学園だが、それ以降は上田滋前監督(現助監督)時代から4回続けて決勝戦で破れている。1996年、2001年、2016年、そして2023年。上田前監督は「甲子園行きの電車に乗ることができているが、目的地に辿り着けていない。この流れを断ち切って5度目の甲子園出場をつかまなければいけない」と語る。キーマンとなる米谷は「昨年の夏を経験した僕らがチームを引っ張っていかなければいけない。あの悔しさを晴らすには甲子園出場しかない」と静かな闘志を燃やす。今年は学校創立100周年の節目のシーズン。夏に向けて士気高まるチームは、1989年以来35年ぶりの甲子園切符をつかみ取る。

おすすめの記事