混戦の東東京を制して春夏連続甲子園
決勝で帝京に勝利して東東京制覇
関東一が東東京大会決勝で帝京に勝利して5年ぶり9回目の優勝を果たした。今春の選抜に出場したチームは春夏連続で甲子園切符をつかんだ。
■王座奪還をかけた戦い
関東一は2019年夏に甲子園に出場して以来、夏甲子園にたどり着くことができていなかった。その間は二松学舎大附が2度、昨夏は共栄学園が甲子園出場を決めている。今大会は王座奪還をかけた戦いだった。春の選抜に出場したものの春都大会は4回戦で修徳に屈してベスト16で終わった。春都大会後、チームは攻守の細部を突き詰めて東東京大会へ臨んだ。シードで大会に入った関東一は初戦の3回戦で芝に苦戦し7回まで2対3であわや初戦敗退の危機を迎えた。8回に同点へ追いつくと延長タイブレークで勝利して最初の関門を抜けた。準々決勝で春に敗れた修徳を撃破、準決勝ではライバル二松学舎大附に完勝して決勝戦へ駒を進めた。
■大舞台で関東一のスタイルを体現
決勝戦の相手は、春都大会優勝の帝京だった。関東一は左腕・畠中鉄心が先発してリズムをつかむと主砲・髙橋徹平の2点タイムリー二塁打などで3回表までに計3点を奪って先手を奪った。しかし、3回裏に帝京に3ランを打たれるなど4失点し逆転を許してしまう。4対4で迎えた5回に強打と走塁を絡めた攻撃をみせると一挙4点を奪ってリードを広げた。6回からは背番号1の坂井遼がマウンドに上がり、威力あるストレートを投げ込み帝京打線を抑えていく。ショート市川歩を軸にした鉄壁の守備でアウトを積み上げるとゲーム終盤は猛打帝京に得点を許さず8対5で勝ち切った。選手たちは、走攻守一体となった関東一のスタイルを大舞台で体現して深紅の優勝旗をつかみ取った。米澤貴光監督は「選手たちが相手を恐れずに立ち向かってくれた」と称えた。つなぐ打撃に小技を絡めた緻密な野球で勝ち取った優勝だった。