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2024年秋にOB監督就任で新たな船出
伝統と主体性を融合した新スタイル
2001年夏にベスト4へ進出した実績を持つ江戸川。2024年秋からはOB指揮官がグラウンドに立ち、新たな船出となった。江戸川の伝統と主体性を融合させたスタイルで高みを目指す。
■4回戦の壁を突破するために
過去に多くの名勝負を演じてきた下町伝統校・江戸川。2013年夏、2015年春、2016年夏にベスト8へ進出するなど、地域の応援を受けて白熱の戦いを演じている。2020年からは自主性をテーマにしてチームマネジメント。野球の魅力をさらに知った選手たちは、主体性を持って練習に取り組んだ。2022年夏、2024年夏には4回戦へ進むなど完全燃焼、次世代へタスキをつないだ。4回戦の壁を突破するためには何が必要か。そこから先を求めるのであれば、百戦錬磨の指揮官が率いるシードクラスのチームに競り勝っていかなければいけない。チーム強化に答えはなく、いかに選んだ道を妥協なく極限まで追求できるかが鍵になる。チームは江戸川の価値をより高めるために変革を続ける。
■“後輩たち”と共に甲子園を目指す
2024年秋から指揮を取るのは、OBの芝英晃監督だ。地元江戸川の野球小僧だったという芝監督は、小学5年生のときに江戸川対早稲田実の試合を報じた新聞記事を読み、強い憧れを感じたという。芝監督は「江戸川が早実にサヨナラ勝利したのですが、泥だらけのユニホームでガッツポーズする写真が忘れられませんでした」を振り返る。そして双子の兄・浩晃と共に江戸川の門を叩いた。高校3年生時には左腕エースとしてマウンドに立ち、早実と対戦。夢にまで見た世界だったが、江戸川球場で相手主砲に特大ホームランを打たれ、コールド負けで最後の夏を終えたという。あれから約30年、母校のユニホームを着て“後輩たち”と共に再び甲子園を目指す。「子どもたちの憧れの存在であるような“高校球児”を育てていきたい」。主体性と伝統を合わせたスタイルで選手の力を引き出していく。
■エース石橋諒を軸に投打の可能性
2025年の夏へ向かうチームの軸は、前チームからエース格として登板した石橋諒樹(2年)だ。最速135キロのストレートに多彩な変化球を交えてゲームを作っていく本格派右腕。さらに実戦派サウスポー中村拓己(2年)らが成長し、投手陣が充実してきた。打撃陣は、3番・板敷光太朗(2年=内野手)、4番・石橋蒼空(2年=内野手)のクリーンアップが得点に絡んでいく。守備では二塁手の榊原大地(2年)が堅実なグラブさばきをみせる。石橋諒、板敷、榊原は前チームからレギュラー出場し経験値を積む。今秋は予選で成立学園に5対10で屈したが、攻守の伸びしろは大きい。叶内駿輔主将(2年=外野手・捕手)は「自分たちが目指してきた野球と、監督が教えてくれている野球を融合させて勝ち上がっていきたい」と話す。新指揮官の母校愛と選手の情熱が、江戸川をたくましく成長させていく。