春夏6度の甲子園歴を誇る県下屈指の実力校
2022年夏以来3年ぶりの甲子園へ、心で勝つ

2018年春、2022年夏に甲子園に出場するなど、計6度の甲子園歴を誇る国学院栃木。昨夏栃木大会決勝での逆転負けを糧にする今季のチームの選手たちは、「心で勝て」のスローガンを掲げ3年ぶりの聖地を狙う。

■心も鍛えて昨夏のリベンジへ

昨夏は、大会直前に柄目直人監督が健康問題によって急遽ベンチを離れ、三浦純コーチが監督代行の立場で指揮した。監督交代となったが選手がやるべきことは変わらない。選手たちは準々決勝で佐野日大、準決勝で青藍泰斗に競り勝ち、決勝へ進出した。決勝では初回に5点を先制しながらも、接戦へ持ち込まれて8対9で無念の惜敗。今年の主力となる1・2年生は、先輩たちの涙を糧に新チーム始動を迎えた。掲げたスローガンは「心で勝て〜逆襲の国学院〜」。阿久井麗夢主将(2年=外野手)は「技術だけではなく心も鍛えて、昨夏のリベンジを果たしたい」と話す。

■「後輩たちと一緒に甲子園へ行きたい」

再起を図るチームは、三浦コーチが正式に監督となり始動した。国学院大卒業後に一般企業に就職したが、母校の後輩、そして恩師・柄目前監督を甲子園へ連れていきたいという一心で学校職員として野球部コーチとなった。約10年間チームを支える一方、中学大会へ足を運び、中学生のプレーに目を光らせた。現在の部員たちは、三浦監督が自らの目でチェックした選手たち。「自信を持ってグラウンドへ送り出せる。この選手たちと一緒に甲子園へ行きたい」。突然の監督就任によって選手との“距離感”に葛藤もあったというが、選手から「コーチ時代の(距離感の)まま指導してほしい」と切望された。自分らしく。三浦監督は、良き兄貴として自然体で日々のグラウンドに立つ。

■人間力を磨いて心で甲子園へ

今年の国学院栃木は、阿久井主将とマネージャー印口幸作(2年)がマネジメント面でチームを支えている。そして前チームのレギュラー金子洸大(2年=外野手)、強肩強打の鈴木温虎(2年=捕手)が戦力面で軸となり屋台骨を形成。秋は準々決勝で作新学院に屈したが、投打両面で春・夏へのポテンシャルは高い。伸び盛りの1年生は、邊見斗磨(1年=投手)、飯原寛大(1年=投手)、農作力(1年=内野手)らの活躍で1年生大会を制覇。1年生と2年生の融合によって、チームはさらなる進化を遂げている。鈴木温が「プレッシャーに打ち克って勝ち上がっていく」と話せば、金子は「人間力を磨いて心で甲子園へ行く」と誓う。2022年夏以来3年ぶりの甲子園へ、国学院栃木は心で勝つ。

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