【成蹊】 「和」 #成蹊

1956年の東京大会で準優勝の実績
スローガンは「和をもって全力を尽くす」

 成蹊は1956年の東京大会で準優勝した実績を持つ。2016年夏には西東京大会で16強入りするなど力を蓄えるチームは“和”をもって進化していく。

■チームの絆を大切に全力プレー  

成蹊は1956年の東京大会準決勝で日大三を破って決勝へ進出。決勝戦では、王貞治を擁する早稲田実に敗れたが堂々の準優勝となった伝統がある。あれから66年の時間が流れたが、野球部の原点は変わらない。選手たちは和を大切にしながら、切磋琢磨を続けている。2016年夏には西東京大会で16強入り、2018年秋1回戦では関東一相手に2対3の好ゲームを演じるなど伝統校の矜持を示してきた。野球部のスローガンの一つは「和をもって全力を尽くす」。チームの絆を大切にしながら、全身全霊で野球に取り組む。チームは進藤友介監督が2018年夏から指揮を執る。本人も同校OBであり、主将としてプレーした。恩師である両角雄功元監督、桑原直樹前監督時代の伝統を継承する。

■新チームは今夏に静岡遠征実施  

新チーム始動直後の8月8〜11日まで3泊4日の静岡遠征を行った。コロナ禍前には毎年恒例の行事だったが、過去2年は断念していた。今年は、学校、保護者の協力によって遠征が可能となった。全員で寝食を共にする貴重な機会となったが、初日には練習準備が足りなかったり、時間に遅れたりする選手がいるなど生活面の甘さが見えてきたという。進藤監督は「寝食を共にする生活では、等身大の選手の姿を見ることができた。コロナ禍の時短練習では見えなかったことが、合宿では隠せない。野球以前に生活面から見直して意識を変えていった」と話す。黒田康希(2年=捕手)は「合宿を通じて自分たちの甘さに気付いた。一人ひとりが野球部の一員としての自覚を持つことでチームが変わっていったと思います」と振り返る。

■大きな可能性を秘めるチーム  

2023年夏へ向かうチームは大きな可能性を秘めている。前チームの3年生が5人しかいなかったため、2年生の多くは今夏の西東京大会を経験している。投手陣は、五十嵐康晴(2年)が夏の2回戦・永山戦(10対0)で先発、3回戦・明大明治戦(1対5)では遠山頼人(2年)がマウンドに登った。遠山、五十嵐の両右腕と、捕手・黒田のバッテリーがそのまま残り、チームの骨格は固まっている。黒田は打撃の中心でもあり、彼らのプレーがチームの命運を握っている。今秋の1次予選は初戦で国学院久我山と対戦し1対13で敗れた。決して戦えていないわけではなかったが、ミスから自滅する形となった。澤井崇人主将(2年=内野手)は「自分たちのいまの力を受け止めて、秋、冬は一丸となって努力していきます。一人ひとりの長所を合わせて、全員の力で勝ち上がっていきたい」と力を込める。選手たちの気持ちが一つになったとき、再び、道は拓けていく。

 

 

 

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