【片倉 野球部】「爆発」 #片倉

今度こそ自分たちの力を証明
“ワクワク野球”で上位進出へ

 2010年以降にベスト16以上を8回を記録し、2012年夏にはベスト4進出を果たした“都立の雄”片倉。65歳となった宮本秀樹監督の下、再び旋風を巻き起こす。(取材・三和直樹)

■能力の高い主力選手たち  

戦力は揃っている。堅守俊足のリードオフマン・麻野凜空(3年=内野手)から2番・小仁所遥(3年=内野手)、3番・湯地詠斗(2年=外野手)の後、宮本監督が「誰よりもチャンスに強い」と称える松永睦生(3年=内野手)が4番に座る。「みんな走れる。まずは打つことだけど、打てない時でもいつでも動ける。走れるメンバーを並べたら面白くなる」(宮本監督)という上位打線の後、「本来なら4番」の佐藤奏斗(3年=外野手)、さらに時崎空汰(3年=外野手)、遠藤朗温(3年=内野手)と長打力のある打者が続く。  さらに自慢は投手陣。スリークォーターからキレのあるボールを投げ込む右腕・ジョンソンマーカス太一(3年)と鋭いスライダーが武器の左腕・高岡大(3年)の2人が軸となり、藤田遥大(3年)も戦力として成長。時崎が故障離脱した誤算はあったが、宮本監督は「個人能力が高いし、伸びて来ている」と評価。強豪私学と対等に渡り合える力を持っている。

■今度こそ力を出し切る  

練習試合では勝利するも大会本番では力を出し切れていない。昨秋はブロック予選突破後の1回戦で駒場学園に5対8の逆転負け。そして守備、走塁を鍛え上げて迎えた春も、1回戦で聖パウロの前に0対1。ジョンソンが5回に2四球からの内野ゴロで1点を失うと、打線は7回に犠牲フライで同点となるはずが相手の好返球の前に本塁タッチアウト。「本番で自分たちの力を出し切る、その力が自分たちになかった」と麻野主将。秋同様、大会独特の雰囲気と初戦の硬さの前に沈んだ。  それでも宮本監督は「今までの中でもかなり力はある。もしかしたら一番かも知れない。一つ壁を突き破れば面白い戦いができるはず」と現チームに対する期待を変えない。「何かのキッカケになれば」とメンタルトレーナーの高畑好秀氏を招いて指導も受けた。夏の大会まで残り1カ月。麻野主将は「やれることは限られているし、みんなわかっている。今度こそ自分たちの力を出し切る。それができれば結果はおのずと付いてくる」と力を込める。エース・ジョンソンは「次の夏でもう最後。悔いのないように自分の力を全部出したい」と夏へ向かう。あとは“爆発”するだけ。自分たちの力を、今度こそ“結果”で証明する。

 

 

 

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