【横浜商 野球部】「進撃」 #横浜商 

今春の神奈川県大会でベスト4進出
春夏16度の甲子園出場の名門

 「Y校」の愛称で知られる伝統校・横浜商今春の神奈川県大会でベスト4へ進出した。夏へ士気高まるチームは1990年夏、1997年春以来の甲子園を目指す。

■横浜スタジアムの大舞台  

1983年に春夏連続で甲子園準優勝を果たすなど春・夏計16度の甲子園出場の伝統校Y校が、春季神奈川県大会でベスト4へ進出した。冬の期間、じっくりと力を蓄えていた選手たちは、春にその力を発揮した。2回戦では相模原中等に15対2、3回戦では、プロ注目の147キロ右腕・澤田寛太擁する大師に5対2で勝利。4回戦では、藤沢翔陵との投手戦で、サウスポー繁野広夢(3年)の好投によって2対1で勝利。準々決勝へ駒を進めた。ベスト4入りをかけた一戦は、横浜商大高の辞退によって不戦勝。横浜商は、準決勝の舞台となった横浜スタジアムに立った。桐光学園に敗れたが、2004年以来18年ぶりの春4強となった。ちなみに桐光学園は今大会で優勝した。

■選手がプレーしやすい環境  

ームを率いるのは、菅沼努監督だ。大学卒業後に、中学教員として野球部を指導し3度の全国大会出場。戸塚高時代の2011年には、春季大会で東海大相模を破るなど金星を挙げた実績を持つ。横浜商では部長を務めて経験を還元、そして2021年夏には役職から外れていた。しかし、チーム事情によって今年1月からチームを指揮することになった。コロナ禍によって練習が休止になる状況もあり選手の特徴を完全に把握できないまま春を迎えた。菅沼監督が選手に伝えたのは「自分たちで考えて、良いと思うことは続ける、良くないと思うことは変えてほしい」ということだけ。指揮官は、ベンチから選手たちを見守っていった。菅沼監督は「私は何もやってないんです。選手たちには100点のプレーではなく80点でいいと。選手がプレーしやすい環境を作ることが大事なのかなと思っています」と温和な笑みを浮かべる。

■神奈川の頂点を目指す  

春季県大会では、タイプの違うピッチャーが日替わりで先発し、結果を残していった。菅沼監督はコーチ陣と相談しながら、先発を決めていったという。3回戦では、技巧派右腕・川又隆之介、4回戦ではサウスポー繁野広夢が好投し、接戦をモノにした。守備では、抜群のステップでボールをさばく遊撃手・長野圭汰主将(3年)を軸に粘り強く守っていった。長野主将、一栁壮太副将(3年=捕手)、繁野ら3年生が軸だがレギュラーの大半を下級生が占めている。今春には51人の1年生も入学し、学年の枠を越えた新たなレギュラー争いが始まっている。長野主将、一栁副将、川村晴人副将(3年=外野手)は「春ベスト4になったが夏はもう一度チャレンジャーとして戦って、神奈川の頂点を目指したい」と気持ちを込める。シードで迎える今年の夏は、いつも以上に“熱い夏”となるだろう。

 

 

 

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