【静岡大成 野球部】「愛される野球部」 #静岡大成

2004年に共学化、進化する野球部
県大会出場へ心技体改革

静岡大成は2004年の共学化に伴い、野球部が誕生した。

2020年秋県大会出場を逃したチームは春県大会出場、そして甲子園出場を目標に本気の意識改革を実行している。(取材・栗山司)

 

[2021年1月号掲載]

■悔しい秋の敗戦

あと1勝の壁が高かった。

今秋の中部地区大会、初戦で島田工に10対0で快勝した静岡大成は初の秋季県大会出場をかけて2回戦に臨んだ。焼津中央相手に2回に先制を許すも、すぐに同点に追いつく。しかし、その後は相手投手を打ち崩せず。逆に、4回と8回に失点し、1対3で敗れた。

岡本将太主将(2年=外野手)は「勝てた試合だった」と悔しがる。「チャンスメークはできているのに、あと1本が出ませんでした。練習試合では打てているのに、公式戦ではチャンスで1本が出ない。それが課題として残りました」。前チームから出場している選手も多かっただけに、横山力監督も「能力はあるが、その力を出し切れなかった」と肩を落とした。

 

■狭いグラウンドだからこその発想

静岡大成は市内の中心部に位置し、グラウンドは極端に狭い。

しかも他部活動との兼ね合いもあり、使用できるのは内野のスペースのみ。週に数回、近隣の球場を借りることもあるが、常にチームは限られた環境の中でどうレベルアップするかを求めている。

横山監督は「この環境のデメリットは消せない。いや消そうと思っていない」と強く語る。「例えば、外野手の前後の動き、横の動きは、どうしても普段練習ができていないだけに脆い部分がある。ただし、基礎的な練習は多くこなせるので、そのメリットを最大限に生かして勝負していこうと思っている」。

いかにして、投手は野手の正面に打たせてとるか。正面の打球に関しては、練習で多くのボールを受けているだけに、自信をもってさばくことができる。

約3年前からは早朝のトレーニングにも力を注いでいる。きっかけは、強豪相手に力負けする場面が増えてきたこと。「バッティングで相手投手のボールに差し込まれてしまう。そこを何とか変えたかった」と横山監督。授業前の午前7時から1時間、自重と器具を使ったトレーニングで体を鍛える。成果は確実に現れ、指揮官は「トレーニングをやるようになり、強い打球が増えてきた」と手応えを掴んでいる。

 

■ゴミを1個拾うとヒット1本の価値

秋季大会敗戦後、チームで取り組んでいることの一つにゴミ拾いがある。 岡本主将によると夏の新チーム結成直後から始めていたが、最初は徹底できていなかったという。だが、秋の大会で敗れ、「もう一度、原点に戻ろう」と気持ちを入れ替えた。合言葉は「ゴミを1個拾うと、ヒット1本の価値」。学校の教室などで、気づいたときにゴミを拾うことを習慣づけている。「愛される野球部を目指すために、ゴミを拾うことで回りからの見る目が変わってくると思いますし、自分たちの日常生活の意識も変わっています」(岡本主将)。

秋の悔しい敗戦を糧に、心技体が逞しくなっている静岡大成。勝負強さも身につけ、来春こそは県大会出場をつかみ、夏のテッペンを狙いにいく。

 

 

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