【相模原】「夢の続き」

2019年夏に4強へ進出した県立最強チーム
戦国・神奈川で旋風を巻き起こす

 2019年夏の準々決勝で横浜を撃破してベスト4へ進出した相模原。今年のチームは、あの夏に負けないポテンシャルと闘争心を秘めた世代。再び、神奈川で旋風を巻き起こす。

 

■緻密な戦略と選手たちの情熱  

神奈川県立最強チームだ。「県相(けんそう)」の愛称で親しまれるチームは過去10シーズンで確固たる実績を残した。ベスト8が3度、ベスト4、準優勝がそれぞれ1度ずつ。さらに幾多の名勝負を神奈川野球史に刻んできた。2015年春には準々決勝で横浜隼人、準決勝で橘に勝利。決勝では東海大相模に屈したものの準優勝となった。相模原が大金星を挙げたのは、2019年夏だった。準々決勝で、木下幹也(現巨人)、及川雅貴(現阪神)、度会隆輝(現ENEOS)らを擁した横浜と対戦すると、6回までに0対5とリードされたが、7回に一挙5点を奪って同点に追いつくと8回にも3点を追加して8対6で勝ち切ってみせた。緻密な戦略と選手たちの情熱によってつかんだ勝利だった。

■投打のポテンシャルは過去最高  

私学強豪を相手に一歩も引かない戦いを演じているチームのタクトを振るのは、神奈川の高校野球を知り尽くす知将・佐相眞澄監督だ。中学教員時代に中学野球で実績を残すと、2005年に川崎北に着任し2007年秋に4強入りを果たした。2012年から相模原の指揮を執り、チャレンジを続けている。打撃指導に定評がある佐相監督は「夏の神奈川を勝ち上がるのは簡単ではないが、勝つチャンスは十分にある。私学を倒すには、打ち勝つ力が必要。チームが勢いに乗れば応援の力が後押ししてくれる」と夏の戦いを説く。そして「今年のチームは投打の伸びしろが大きく、非常に楽しみな選手たち。2019年夏に横浜を倒したチームよりもポテンシャルはあると感じている」と期待を寄せる。

■チーム内競争で士気高まる  

今季のチームは、昨夏のマウンドを経験した小林理瑛(3年)、近藤優樹(3年)の大型右腕二枚が揃い、例年と比較して投手陣のスケールは大きい。打線は、リードオフマンの前田明宏(3年=外野手)、キャプテンシーと勝負強さを備えた主砲・佐藤航成主将(2年=捕手)の打撃陣も心強い。今春は、3回戦で平塚学園に4対7で敗れたが、敗戦の中に手応えもつかんだ。チームはブルペン、打撃ケージで激しい競争が起こり、夏へ向けて士気は高まる。佐藤主将は「春は、投手陣が安定しない中でも打撃を軸にしっかりと戦うことができた。投打のレベルをもう一段上げて夏へ向かっていきたい」と力を込める。チームに秘めたポテンシャルが発揮できれば2019年夏のベスト4を超えていくかもしれない。相模原は今夏、夢の続きを演じていく。

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