【国立】「FIGHTING SPIRIT」

1980年に都立初の甲子園出場
2022年夏は5回戦進出し復活の胎動

 1980年に都立として初の甲子園出場を成し遂げた国立。あれから43年、国立は高校野球の新たなカタチを標榜しながら聖地を目指す。

■西東京唯一の都立甲子園  

1980年、ノーシードで夏に西東京大会へ臨んだ国立は準々決勝で佼成学園と対戦し、引き分け再試合の激闘を制してベスト4へ進出。準決勝で堀越、決勝で駒大高に勝利して、都立初の夏甲子園出場を果たした。都内では、その後の1999、2001年夏の城東、2003年夏の雪谷が夏甲子園出場を果たすが、西東京では現在も国立のみ。国立の甲子園出場は、東京高校野球の歴史で燦然と輝いている。国立は2004にも西東京ベスト4へ進出。最近では2018、2019年に4回戦進出。昨夏(2022年)には、エース左腕・不破倖志朗を擁してベスト16進出を果たした。

■生徒たちの力を最大限に発揮  

復活の胎動が聞こえる国立は、今春から堀田一弘監督が指揮を執る。堀田監督は拓大一出身で、1994年の選抜甲子園出場を経験。その後、都立指導者の道へ進み、府中東では秋ベスト8、前任の小平南では夏ベスト16にチームを導いた。2022年度は、行政機関で教員研究生として研鑽に励み、授業だけでなく、野球にも通じる指導のあり方について研究を重ねた。そして国立へ着任となった。堀田監督は、国立の伝統や生徒主体の練習などを尊重して、生徒たちのサポート役としてグラウンドに立つ。指揮官は「高校野球は、指導者のモノではなく、生徒たちの成長の機会。選手たちが持っている力を最大限発揮するためにはどうすればいいかを、生徒たちと考えていきたい」と共創している。

■勝利への執念を表現するチーム  

今年のチームは、家木誉史(3年=内野手)、尾関裕輝(3年=内野手)、エース金森誠太(3年)ら昨夏のベスト16を経験した選手たちが残り、投打のバランスが取れている。先輩たちの結果を引き継ぐ覚悟で新シーズンに臨んだが、昨秋は一次予選で豊南に敗れ、今春は都大会1回戦で町田に屈する結果となった。チームは「FIGHTING SPIRIT(ファイティングスピリット)」というスローガンを設定し、勝利への執念を表現すべくグラウンドに立つ。冨田昌吾主将(3年=内野手)は「秋、春ともに自分たちの力が出せずに負けてしまって、悔しさしかない。その結果をしっかりと受け止めて、ファイティングスピリットを持って夏へ向かっていきたい」と力を込める。国高(くにこう)は伝統校の矜持を胸に夏の舞台に立つ。

 

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