今夏の東東京大会でミラクル優勝
日々の努力の先に「2度目の甲子園」
今夏の東東京大会でミラクル劇を演じて悲願の甲子園初出場を果たした共栄学園。新チームは、今夏以上の感動を届けるために練習に打ち込む。その先に2度目の甲子園がある。
■1日1日の積み重ねがすべて
共栄学園は今夏の東東京大会準決勝・決勝でミラクル逆転劇を演じて頂点に立った。初出場となった甲子園では1回戦で聖光学院(福島)に屈し甲子園初勝利はならなかったが、チームの歴史に大きな足跡を残した。甲子園後に始動したチームは、これまでと変わらず、先輩たちと同じようにのびのびと野球に打ち込む。1日1日の積み重ねがすべて。後輩たちは、先輩たちの背中を追いながら、チームビジョンを思い描く。原田健輔監督は「連覇という言葉は一度も口にしていません。甲子園出場がゴールではない。人として成長していくことと、応援してくれる人たちに感動を届けていくことが目標です」と語る。共栄学園はこれまでと同じスタンスで日々の練習に励む。
■ポテンシャルを秘めるチーム
新チームをまとめるのは髙祐稀主将(2年=外野手)だ。前チームからレギュラーだったが東東京大会決勝9回守備時に顔面を骨折し負傷交代。優勝瞬間時はベンチ裏で歓声を聞き、甲子園にも帯同できなかった。新たな船出となったチームはエース田嶋勇斗(2年)、牟田口逸佳(2年=内野手)ら甲子園を経験したプレーヤーが軸となり、新たなスタートを切った。髙主将が1番でスイッチ役となる打撃は大きなポテンシャルを秘めている。投手陣は、エース田嶋の力が東東京屈指。田嶋はキャッチャーとして入学したが原田監督に投手としての能力を見出されてピッチャーに転向、今夏には142キロをマークし甲子園のマウンドにも立った。あとは2枚目以降の成長が鍵となる。エース田嶋は「甲子園での経験を活かして投手陣全体で成長していきたい」と話す。
■さらなる感動を追求する
今季の2年生たちは、年間を通じて3年生と一緒にフィジカル練習をこなしてきたため身体は仕上がっている。チーム全体の平均体重は、すでに前チームを越えているという。攻守のキーマン牟田口は「打撃のパワーはあるのでチームとして機動力や俊敏性を高めていきたい」と練習に励む。課題と向き合うチームは攻守の細部を追求して2度目の甲子園を目指す。髙主将は「個人的には甲子園でプレーできなかったので自分たちの代でも必ず行きたい。3年生から教えてもらったものを継承して、自分たちの戦い方を作り上げていきたい」と力を込める。新生・共栄学園は、さらなる感動を追求するために努力を続けていく。