「チャレンジャー精神」で神奈川の頂点へ
執念の戦いをみせる「逆転の平学」
力強さと粘り強さを前面に出して戦う平塚学園。1998年の甲子園初出場以来、26年ぶりの甲子園を狙うチームは、チャレンジャースピリットを胸に大海原へ向かう。
■巻き返しを誓う選手たち
神奈川の頂点を狙う覚悟はできている。1998年の西神奈川大会で優勝し甲子園初出場を成し遂げた西湘の雄・平塚学園。「逆転の平学」と呼ばれる執念の戦いで、神奈川を舞台に数々のドラマを演出してきた。2013年夏には準優勝、2014年秋は県優勝で関東大会に出場するなど甲子園に迫った。あれから10年、チームは再び甲子園に迫るべく士気を高める。2023年夏にはエース駒井秀成を軸にした戦いで挑むと、4回戦で武相に勝利し5回戦・相洋戦へ進出。相洋とロースコアの投手戦を演じたが2対4で惜敗し甲子園の道は絶たれた。夏の悔しさを味わった1、2年生の選手たちは、巻き返しを誓って練習に励んでいる。
■昨年11月には仙台育英と対戦
平塚学園の専用練習場レフトフェンスには「意志ある全力」「先に仕掛ける」「チャレンジャー精神」の言葉が書かれた横断幕が掲げられている。八木崇文監督が考案した横断幕で、選手たちはその言葉と向かい合いながら全寮制で野球に魂を捧げている。八木監督は「がむしゃらにやるだけではなくそこには意志が必要。自分たちは弱者なのでどんな相手にでもチャレンジしていかなければいけない」と語る。チームは昨年11月の東北遠征で仙台育英と対戦して「全国トップレベル」を肌で感じた。堀田康ノ介主将(2年=外野手)は「パワー、スイングスピードほか、規律や礼儀・挨拶などすべてが自分たちとレベルが違った。高い意識を持って練習に臨まなければいけないと感じた。フィジカルなどを強化して全国で戦えるチームにならなければいけない」と話す。
■限界の先へ突き進む
神奈川のトーナメントを席巻するポテンシャルは秘めている。堀田主将を軸にしたチームは、競り合いで勝ち切るタフなメンタルを追求。野手陣は、酒井皓誠(2年=外野手)、竹中涼太(2年=内野手)、松本梗吾(1年=内野手)、森春樹(1年=内野手)ら個性的なプレーヤーが揃う。投手陣は最速141キロのトルネード右腕・三村晃次郎(2年)を主戦としてブルペンの競争が激しくなっている。昨秋は2回戦で藤嶺藤沢、3回戦で鶴嶺に勝利したが4回戦で大会準優勝の横浜に0対5で屈した。冬合宿のテーマは「NO LIMIT」「NO GOAL」。選手たちは自身を追い込んで春・夏の戦いを待つ。ゴールは、夏のトーナメント。平塚学園は限界の先にあるゴールへ突き進む。