【明  星 野球部】「ベスト8を越えて」

西東京のダークホース。

若い力が台頭、ブレイクの予感

今夏の西東京で5回戦進出を果たした明星。

新チームは1年生をゲームキャプテンに抜擢するなど若い力を最大限に生かして、新たな扉を切り拓く。

 

強豪ひしめく都内で、安定した成績を残す実力校だ。

2016年夏は西東京5回戦進出、2017年秋はベスト8進出、そして今夏も3回戦明大中野八王子、4回戦で啓明を下して5回戦へ駒を進めた。

準々決勝をかけた5回戦では東海大菅生に1対5で敗れたもののベスト16という結果を残している。

2014年から指揮を執るOB指揮官・石山敏之監督は「そこまでは勝たせてもらえることもあるが、その上を目指すにはまだまだ力がたりない」と満足はしていない。

チームは、ベスト16を越えてベスト8、さらにその先を狙うために鍛錬を積む。

 

明星は、100年近い歴史を持つ伝統校。

府中の学校敷地内にグラウンドを持ち、選手たちは恵まれた環境の中で練習に励む。

石山監督は、日大卒業後に母校コーチに就任、一度は学校を離れたが、2014年に母校で指揮を執る幸運に恵まれた。

指揮官は「母校を強くするために教員を目指したので、チャンスをもらえて光栄です。

応援してくれた方々のためにも結果を残したいと思っている」と選手に寄り添う。

 

2014年から采配を握っているが、忘れられないのは2015、2016年の「2試合」だ。

明星は2015年夏4回戦で東海大菅生と対戦し1対2、2016年夏5回戦の日大三戦は0対2で屈した。

石山監督は「格上のチームを倒すには守備が大事だと考えていたが、あの2試合でバッティングの重要性を教えてもらった。

東海大菅生、日大三戦は打撃力があれば勝てたかもしれないゲーム。

野球の考え方が変わった」と振り返る。

 

以来、明星は打撃、走塁に重きを置いてチーム力アップを試みる。

今年の新チームは、主要ポジションに夏メンバーが残るなど潜在能力の高い集団だ。

主将を務めるのは、夏の背番号1を背負った西方翔(2年=投手)。

新チームの秋予選では1年生6人がレギュラーをつかむなど若い芽が伸びてきている。

投手陣も西方のほか園陽一郎(1年生)らが力を伸ばし、安定感が増す。

1年生の4番・内山珠音、1年生捕手の山口陽生も自信をつける。

士気高まるチームは、学年の垣根を超えてレギュラー争いが熾烈になっている。

 

1年生台頭のチーム状況を鑑みた石山監督は、2年生の西方を主将に置きながらも、ゲームキャプテンに1年生の大橋義輝(内野手)、ゲーム副キャプテンに志田一真(外野手)を抜擢。

若い力を最大限に生かすために大胆な方法を選択した。

投打の要となる大橋が「1年生だけどチームを引っ張っていくつもり」と話せば、リードオフマン志田は「貴重な経験をさせてもらっているので、チームとして結果を残したい」と、8強超えを狙う。

チームは秋予選2試合をいずれもコールド勝利し都大会出場を決めた。

西方主将は「1年生がプレーしやすい環境を作りながら、チーム全員で新しい歴史を作りたい」と前を向く。

チームカラーは「赤」。

伝統の赤い魂を宿す選手たちは、8強の壁を打ち破り、新しい歴史を築いていく。


明星学園高等学校

【学校紹介】
住 所:東京都府中市栄町1-1
創 立:1923年
甲子園:なし
100年近い歴史を持つ伝統校。

学校法人明星学苑として、約7万平方メートルの敷地内に幼稚園から小学、中学、高校がある。

野球場、テニスコート、プールなど恵まれた施設を持つ。

主なOBに浦沢直樹(漫画家)。

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