「日出」から「目黒日大」へ。
2019年秋、1年生主体で都大会初出場
2019年4月に「日出」から校名変更した「目黒日大」。
野球部は「目黒日大」として今夏に東東京大会に初出場、今秋は予選を突破し都大会出場を決めるなど新たな一歩を踏み出している。
(取材・伊藤寿学)
■ 都内に新たな日大付属校誕生
今春、大きな志を携えて“新たな船出”を遂げたチームだ。
芸能コースがあることでも知られる目黒区の伝統校「日出」が、2019年4月から日大準付属校となり「目黒日大」となった。
日出高校時代から活動を続けていた野球部は、「日本一」という大きな目標を掲げてスタートを切った。
チーム改革は、「目黒日大」への校名変更を間近に控えた2018年から始まった。
学校側は、神奈川県の日大高教員だった木川卓見野球部コーチに、新チームの監督として声をかけた。
激戦区神奈川で経験を積んでいた木川コーチは、日大ブランドのもと東東京で再出発を図るチームに大きなやりがいを感じて監督要請を快諾。
2018年に移籍し、野球部強化に乗り出した。
■ 2019年は22人の1年生が加入
2018年春、野球部の人数はわずか7人。
木川監督は、学内で野球経験者を探しては声をかけた。
ネックは頭髪。
興味を示した生徒はいたが「坊主は嫌です」とやんわり断られた。
柔軟な考えを持つ新指揮官だが、野球部の未来のためにも髪型は譲らなかった。
勧誘を続けた結果、長髪だった生徒たち数人が、頭を丸めて“助っ人”になってくれたという。
「日出」として迎えた最後の夏は高島に0対11で敗れたが、選手たちの表情は清々しかった。
2018年夏大会後、選手は4人になったが、それでも全力で練習を続けた。
そして校名変更の2019年4月には22人の1年生が加入。
「目黒日大」の夏初陣は、3年生2人、2年生2人、1年生22人の計26人のチームで挑んだ。
今夏1回戦は、乱打戦の末に桜修館に8対11で屈したが、敗戦を糧にチームは強くなる。
木川監督は2人の3年生に対して「学校環境が大きく変わった中で、新しい野球部の土台を作ってくれた2人には本当に感謝している」と労った。
■ 将来的な目標は甲子園
今春、入部した22人の1年生たちは、「目黒日大」の可能性に懸けて門を叩いた選手たちだ。
東京・神奈川の名門シニア出身選手も多く、チームは大きな可能性を秘めている。
横浜青葉シニアから入学した大澤翔(1年=捕手)が「1年生から試合に出られることに魅力を感じて目黒日大を選んだ」と話せば、目黒西リトルシニア出身の酒井皓哉(1年=内野手)は「自分たちでチームを作っていく楽しさがある。
それぞれがリーダーシップを取って、チームを強くしていきたい」と自覚する。
當山竜祥主将(1年=内野手)を軸にした新チームは今秋、一次予選決勝で朋優学院に勝利し都大会出場を決めた。
木川監督は、日大系列の野球部員としての礼儀・規律を求めるとともに、自主性を養うためミーティング時間を多く設けて、選手たちの成長を促す。
選手たちは、監督から預かった練習メニューをもとに時間配分や注意点などを話し合い、それを「プランニングシート」に記入し練習に向かう。
目黒日大のチームフラッグには「すべてにおいて日本一になれ」と印字されている。
木川監督は「まだまだ未熟なチームだが、日大のブランドにふさわしいチームにして、将来的には甲子園を目指せるチームにしたい」と指導に打ち込む。
「目黒日大」は都心の一等地・目黒から甲子園を目指す。
目黒日本大学高等学校
【学校紹介】
住 所:東京都目黒区目黒1-6-15
創 立:1903年(目黒日大の校名は2019年~)
甲子園:なし
「日出学園」から2019年4月に「目黒日大」へ。
進学コースと、スポーツ・芸能コースがある。
野球部は今夏に「目黒日大」として初めて東東京大会へ出場。
今秋は都大会進出。