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春夏計4度の甲子園実績を持つ伝統校
冬トレのフィジカル強化で心身強化
春夏計4度の甲子園出場実績を持つ伝統校・法政。進学へシフトした状況でも勝利を追求するチームは、オフシーズンに専門家を招いて心身強化へ乗り出していく。
■1960年の選抜ベスト8の名門伝統校
1960年代に2度、1980年代に2度の甲子園出場を誇る名門だ(当時は法政第一の校名)。1960年の選抜ではベスト8へ進出するなど名声をとどろかせた。またプロ野球レジェンド田渕幸一(元阪神、西武)を輩出したことでも知られる。吉祥寺から三鷹への校舎移転や進学シフトなどが影響して5度目の甲子園出場は果たせていないが、野球を愛する選手たちが切磋琢磨している。2020年からチームをまとめるのは、神奈川高校野球の公立レジェンド指揮官・相模原の佐相真澄監督を父に持つ佐相健斗監督だ。「高校野球の伝統校ですが、進学校でもあるので文武両道で人として成長できる場所にしてきたいと思います」。就任4年目、新たなチャレンジに取り掛かる。
■夏を見据えて次なるステージへ
法政は2021年夏に4回戦、2023、2024年夏には3回戦に進出した。この夏は八王子相手に2対4の好ゲームを演じたが、金星をつかむことができなかった。引退した3年生は一生懸命に努力できる選手たちの集団だったという。佐相監督は「3年生は必死に頑張ってくれましたが、勝たせてあげることができませんでした。接戦を勝ち切る強さが必要だと感じました」と振り返る。新チームの1・2年生も野球が大好きな選手たちが集う。選手たちの向上心を活かすため、週2回の練習は外部コーチの力を借りて刺激を加えていく方針を打ち出した。専門的なメニューに取り組むほかオフシーズンには大学スポーツで成果を残すフィジカルコーチを招いて効果的なトレーニング方法を学ぶ。若き指揮官は「限られた練習環境や時間で効果的なトレーニングをするのに専門家の力を借りた。最先端の知識を伝えることで生徒たちが意欲的に取り組んでくれていると感じます」と手応えを感じている。
■トレーニングは勝利の手段
法政は、中学から一緒にプレーしている選手も多く、タテヨコのつながりが特長。学年の垣根はなく、勝利のために共に努力できるチームメートだ。今季のチームテーマは「一戦必勝」で、目標はベスト8以上。打撃陣は、前チームから絶対的レギュラーの攻守の要・小林悠(2年=内野手)と、パワフルな打撃が武器の未完の主砲・久保田龍仁(2年=外野手)。外部コーチに積極的に質問するなど意欲的な姿をみせる久保田は「自分のひと振りでゲームを決めたい」と覚悟を示す。バッテリーは、エース福田悠成と女房役・樋口毅の1年生コンビ。エース福田は「守備を信頼して、しっかりと投げていきたい」と春を待つ。チームをまとめる髙橋夏音主将(2年=内野手)は「外部コーチの指導は自分たちにとって刺激。チーム一丸となってベスト8以上を目指していきたい」と夏の勝利を見据える。伝統校の新たな方針がどんな化学反応を生み出すか。佐相監督は「トレーニングは座学ではなく勝利の手段。日々のトレーニングを試合につなげていく必要がある」と説く。情報を力に変換する選手たちは自らの意志で未来を切り拓いていく。
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