2年ぶりとなる県大会出場
打ち勝つ野球で番狂わせ起こす
今秋はコロナ禍の予選を勝ち抜き2年ぶりに県大会出場を決めた。野球が好きな選手たちが集まるチームは、野球を楽しみながら本気の勝負を実践していく。
2020年12月号掲載
■2年ぶりの県大会出場
今秋の予選は、コロナ禍によって例年のリーグ戦ではなく、4チームによるトーナメントとなった。県大会出場は予選2試合を勝ち抜いたチームのみ。リーグ戦とは違う難しさがあった。予選1回戦・光陵戦を6対5の僅差で制すと、本戦出場を懸けた予選決勝で桜丘と激突した。
エース兼4番の住海(2年=投手)は「相手は力のあるチームなので難しいゲームになると思っていた」と振り返るが、ふたを開けてみれば横浜南陵打線が効果的に得点を積み上げて10対0で勝利。2年ぶりの県大会出場を決めた。
瀬川翔太主将(2年=内野手)は「予選の相手はすべて公立校だったので、負けられないと思った。チャンスで流れをつかむことでチームが勢いに乗ることができた」と笑顔をみせた。
■手応えと課題を持ち帰った選手
県大会初戦の相手は、私学強豪の横浜商大高だった。
横浜南陵は、格上チームから「金星」を狙った。エース住が2回までは相手打線を抑えてスコアレスで進めたが、打順がふた回り目となった3回以降につかまって、じわじわと得点を奪われた。戦えていないわけではなかったが、終わってみれば0対11の6回コールド負け。
エース住は「甘く入ったストレートを狙い撃ちされてしまった。私学を抑え込めるスピードをつけなければいけない」と悔やんだ。
横浜南陵の秋はそこで終わった。手応えと課題を持ち帰ったチームは、オフシーズンのレベルアップへの準備を進めている。
■2年生6人、1年生15人の個性派集団
横浜南陵は2年生6人、1年生15人。今春に多くの1年生が入部したことでチームの可能性は広がった。
そして今秋からチームを指揮するのは、松陽、茅ヶ崎西浜、海洋科学などで指導してきた山田尚監督。ベテラン指揮官は「近年は人数が少ないチームを指導してきたので、ここでは部員問題に時間を取られることなく、じっくりと指導できるのは大きなやりがいです」と微笑む。指揮官は、中西謙人前監督、高橋直也部長ら充実したコーチ陣とともに、選手指導にあたる。
山田監督は「守り勝つチームという言い方は好きじゃない。野球は点を奪い合うスポーツなので、打ち勝ちたい。『打て』のサインはホームランです」と、選手のやる気に火をつける。
横浜南陵は、野球の魅力をグラウンドで目一杯に表現していく。それが進撃へつながっていくはずだ。