【拓大一 野球部】 「逆境に強くなれ」 #拓大一

活気あふれるグラウンド
秋の敗戦を糧に再起を誓うチーム

1994年春に選抜出場の実績を持つ伝統校・拓大一。活気あふれるグラウンドで夢を追うチームは、新たなスタイルで2度目の甲子園を目指す。

■グラウンド掲示板のスコア

拓大一のグラウンド掲示板には、秋季都大会1回戦・国士舘戦のスコアが貼られている。

拓大一は序盤に互角以上の戦いをしながら中盤以降にミスから失点を重ねて6対14で敗れた。国士舘の13安打に対して、拓大一は12安打。ヒット数では負けていなかったが、失策、四死球の多さが失点につながってしまった。打撃では見逃し三振が6を数え、チャンスで消極的になってしまったシーンもあった。大会後に試合を振り返ったという松井貴寛監督は「エラーや四死球が多かったのは事実だが、あらためて見ていくと攻守において細部に甘さがあった。自分を含めてもう一度、野球を突きつめていく必要があると感じた」と話す。チームは、秋の敗戦を糧に再起を誓う。

■飛躍を遂げる可能性

今季のチームで、夏からレギュラーを張ったのは、荒井航史郎主将(2年=外野手)、天野颯(2年=内野手)のふたり。秋はエース不在の中で、各ポジションも定まらない状況で大会を迎えたというが、その後の練習試合でチームの全体像が見えてきた。

秋の敗戦を受け止めるチームは、精神的支柱・荒井主将を絶対的な軸として春への再構築を図る。守備の中心は、指揮官が「替えの効かない選手」と評するショートストップ・天野。指揮官は、攻守のバランスをみながら守備バリエーションを増やし、チーム戦術の幅を広げている。打撃は、リードオフマン西村烈(2年=外野手)、主砲・宮下晴気(2年=内野手)が鋭い打球を飛ばす。主砲・宮下は「チームでの役割を果たして勝利に貢献したい」とバットを握る。課題は投手陣だが、皆川友快(2年)、松本塁(1年)らが巻き返しを狙う。投打のバランスが整えば飛躍を遂げる可能性を秘めている。

■昨夏は3回戦で創価に惜敗

拓大一は2015年に松井監督が就任、2017年に校庭が人工芝化されるなど環境が整う。若き指揮官のもと復活を期す伝統校には多くの選手たちが集まっている。

近年では2018年の西東京大会で5回戦に進出するなど力を伸ばしているが、接戦を演じながらも一歩及ばない試合もある。昨夏は3回戦で強豪・創価と対戦し2対2で延長戦へ突入する好ゲームをみせた。しかし延長12回に集中が途切れて、サヨナラ負けを喫してしまった。松井監督は「延長13回からのタイブレークを考えてしまった。あらためて一球の重要性を痛感した」と打ち明ける。掲示板には「苦しい時に出る力が実力。逆境に強く!逃げずに、悔しさと向き合える選手が勝つ!」と記されている。チームは、逆境を乗り越えて強くなる。壁を越えた先に次の景色が見えてくる。

 

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