2017年夏4回戦、2021年夏3回戦
ブレイク間近「県立ダークホース」
城山は2017年夏に4回戦、2021年夏に3回戦へ進出した。下馬評を覆して勝ち上がる県立ダークホースは、今年も着々と力を蓄えている。
■昨夏は初戦で相模原を撃破
ブレイク間近のチームだ。城山は2017年夏に横浜桜陽、厚木北、相模原に勝利して10年ぶりに4回戦へ進出した。そして昨夏にはエース豊田駿典(今春卒業)を軸にして1回戦で相模原を10対3で下す下剋上を成し遂げると、2回戦では七里ガ浜に7対6の逆転勝利。3回戦は相洋相手に9回表まで5対1とリードし「金星」まであと3アウトに迫ったが、9回裏に5失点し、涙のサヨナラ負けとなった。相洋戦9回にリリーフ登板した関戸輝(3年=当時2年)は「5対4の無死2・3塁でマウンドに上がり、2球目を打たれてしまった。あの悔しさは忘れられない」と激闘を振り返る。新チームは先輩たちの思いも背負って始動した。
■打撃フォーム徹底で破壊力アップ
2022年のチームは、昨夏にベンチ入りした選手は多いが、レギュラーはいなかった。メンバーが大きく入れ替わった中で、大山泰樹主将(3年=捕手)を中心にチーム編成を進めていった。秋地区予選3試合は、向上に敗れたものの、大和東、神奈川総合産業に勝利して2勝1敗で県大会へ進出。1回戦では麻布大附に8対4で快勝したが、2回戦で桐蔭学園と対戦し0対14で屈した。エース関戸がケガで登板しなかった中での戦いだったが、選手たちは春・夏へ向けての手応えをつかんだ。城山では、打撃フォームの基礎を徹底。フォームが固まることで選手たちの打力が著しく向上した。昨夏は3戦すべて2桁安打を記録し、打撃面では結果を出すことができた。チームには揺るぎない自信が芽生えている。2019年から指揮を執りチームの土台を築いてきた新井良明監督は「昨夏は勝ちきれなかったが、強豪相手にしっかり戦うことができた。理論的に技術を伝えていくことで選手は確実に成長していく。中学時代に実績のない選手たちでも、勝ち上がれることを証明したい」と話す。
■確固たる自信、強い気持ちで大会へ
秋季大会は、エース不在で投手力に課題があったが、冬を越えて関戸が復活。関戸は最速130キロ超のストレートに磨きをかけてリベンジの時を待つ。打撃陣は、大山主将、関戸、浅井 琉玖(2年=内野手)のクリーンアップ候補が勝負強い打撃をみせている。今年のチームのスローガンは「覇気」。ひるむことなく、野心を前面に出して戦っていく。大山主将は「城山らしく、がむしゃらな気持ちで大会へ臨む。去年の3年生が超えられなかった3回戦、私学強豪の壁を破って、さらに上へ行く。春、夏にすべてをぶつけていきたい」と力を込める。城山は、北相エリア・津久井湖・城山ダムのほとりから横浜スタジアムを目指していく。