【共栄学園】初甲子園へ(2023年夏)

ミラクル劇演出で悲願の初優勝
葛飾の星、下町へ優勝旗を持ち帰る

共栄学園が第105回全国高校野球選手権記念東東京大会決勝で東亜学園に勝利して悲願の初優勝、甲子園初出場を決めた。

■2003年男女共学化の新鋭

共栄学園は2003年の男女共学化に伴い野球部が誕生。2012年に原田健輔監督が就任した。原田監督は浦和学院出身で共栄大を経て金融機関に就職。しかし野球指導の道があきらめられずに共栄学園の門を叩いた。当時は初戦敗退が続いたチームだったが、ゼロからのスタートで戦績を積み上げてきた。今年のチームは、エース茂呂潤乃介、主砲・菊池虎志朗らが揃った期待の世代。昨夏の東東京大会を経験した選手も多い期待のチームだった。しかし、昨秋は予選敗退。原田監督と選手たちは、ひたむきに練習に励み、力を蓄えてきた。そして今春都大会でベスト16に進出してシード権を獲得。チームのすべてを結集して夏へ挑んだ。

■波乱の大会を共栄学園が制す

準決勝で岩倉にサヨナラ勝利するなどミラクル劇を演じて決勝へ進出した共栄学園の相手は、東亜学園だった。共栄学園は、田嶋勇斗が先発してゲームを組み立てていく。3回までに3対1とリードし、4回に田嶋から首藤健介へ継投を試みたが噛み合わずに逆転を許す展開。急遽、エース茂呂がマウンドに上がりゲームを立て直していく。だが、8回に2失点して5対6で最終回を迎えた。9回2死1塁の状況まで追い詰められたが、ムードメーカーの清藤和真が四球で出塁すると、打野琉生がセーフティーバントで出塁。相手の失策によって土壇場で同点に追いつくと、打線が爆発。この回で一挙に7点を奪って逆転勝利、東東京の頂点に立った。今大会は、帝京、関東一、二松学舎大附が次々と敗れる波乱の大会となったが、下町葛飾の共栄学園が優勝旗をつかみ取った。

 

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