「小田原から初甲子園へ」一致団結
ノーシードからの果敢なチャレンジ

昨春大会で準優勝となり第1シードで夏を迎えた相洋。春大会初戦で武相に敗れた今年は、ノーシードから夏のトーナメントへ挑む。

■昨春は準優勝、昨夏はベスト8で涙

 小田原の雄・相洋は昨春大会で進撃をみせて決勝へ進出し、決勝では慶應義塾に敗れたものの堂々の準優勝となった。関東大会を経て第一シードで昨夏を迎えた。夏の神奈川大会でも力強い戦いをみせると3回戦で日大、5回戦で平塚学園を撃破。準々決勝では横浜との大一番を迎えた。初の甲子園出場へ向けて乗り越えなければいけない関門だったが、自分たちの力を発揮できずにイニングが進むと0対5で屈した。昨夏に2年生エースとしてマウンドに立った中島翔人(現3年)は「先輩の夏を終わらせてしまった」と涙をぬぐった。

■今春は初戦の2回戦で武相に惜敗

今年のチームは、サウスポーエース中島、最速143キロの本格派右腕・大谷祇人主将(3年)、さらなる進化をみせる骨太右腕・大場智仁(3年)という昨季を経験したトリプルエースがそのままチームに残っている。今季のチームは大きな期待を背負ってスタートしたが昨秋は3回戦で鎌倉学園に敗れて、今春は初戦の2回戦で武相と対戦して2対3で惜敗となった。武相はそのまま勝ち上がり神奈川の春を制覇しただけに、相洋は複雑な心境となった。大谷主将は「昨年の選手が残っていながら、秋・春と勝てなかったのは全員が未熟だったから。自分たちの弱さを受け止めて、夏に向かっていきたい」と静かな闘志を燃やす。

■夏に向けてチーム再起動

 春に屈辱を味わったチームは、夏に向けてチームを再起動した。昨春は関東大会まで進んだためチームの屋台骨に変化を加えることができなかった。今年は4月上旬の敗戦から十分な時間があったため、チームを見直し再構築した。190センチ95キロの主砲・二宮陽斗(3年=外野手)は「チームを勢いづけるバッティングをみせて、これまでの借りを返したい」とフルスイングをみせる。高橋伸明監督は「今季のチームが接戦で負けているのは、精神面でも未熟だから。もがき苦しんだ結果が夏につながっていくはずだ」と期待を寄せる。このままで終わるチームではない。相洋の逆襲が夏の神奈川を乱世へ導く。

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